江戸川乱歩賞を受賞した赤井三尋原作の『翳りゆく夏』が渡部篤郎主演、波多野貴文監督で連続ドラマ化され、2015年1月18日からWOWOWでスタートすることが7日、明らかになった。

渡部篤郎

ドラマは、20年前に起きた新生児誘拐犯の娘が大手新聞社に内定したことから始まるノンストップ・サスペンスドラマ。その新聞社の元敏腕記者で、ある事件がきっかけに窓際に追いやられていた梶秀和(渡部篤郎)は社長から新生児誘拐事件の再調査を言い渡され、取材を続けていくうちに衝撃的な真実へとたどり着く。

主人公の梶を演じる渡部は「WOWOWの作品に出演させていただけることは毎回うれしく、そして映画ファンのお客様に見ていただいているので、さらに高尚な作品にしなければと気持ちを引き締めて挑んでいます。サスペンスの要素がたくさんある作品ですが、人間の心のひだや哀しみ、欲望などが随所に描かれています。重厚な作品をお見せ出来ればと思っています」と、主役を演じる意気込みを語っている。

今から16年前、助監督時代に渡部と仕事をしたことがある波多野監督は「与えられた環境の中でも未来へ向かって強く生きる子供の姿、そして守るべきものがあるからこそ弱くなってしまう大人の姿を対照的にしっかり描いていきたい。今回は監督という立場で渡部さんとご一緒出来ることをとてもうれしく思います。渡部さんの持つ大人の深みや哀愁は必ず主人公の梶というキャラクターを魅力的にしてくれると確信しています」と信頼を寄せる。

原作者の赤井氏は「『翳りゆく夏』は江戸川乱歩賞を受賞した私のデビュー作です。だから、作品に対する思い入れも強く、今回映像化されるにあたってかなりの期待を抱いています。小説と映像化作品はまったくといっていいほど別の作品になることが多いようですが、準備稿を拝見させていただいて、ひそかな喜びを感じました。原作に忠実に構成されていたからです。執筆時にはかなり苦吟した身代金引き渡しのシーンなどが映像でどのように表現されるのか、今から楽しみです」とコメントしている。

出演はほかに時任三郎、菅田将暉、岩松了、滝藤賢一、長谷川朝晴、木場勝己、佐藤B作、嶋田久作。連続ドラマ『翳りゆく夏』はWOWOWプライムにて2015年1月18日(毎週日曜 22:00~ 全5話)スタート。