葛西臨海水族園では現在、「世界の海」エリアの「深海の生物3」水槽にて、ミツクリザメを展示している。

普段は普通のサメと似た顔つき

あごが突き出た状態のミツクリザメ(模型。館内展示物)

「ゴブリンシャーク(悪鬼のサメ)」を展示

ミツクリザメは駿河湾清水沖の水深約100メートルで捕獲され、11月1日 16時、同園に搬入された。底刺し網によって捕獲された個体となる。11月2日 13時時点では、水槽内をゆっくりと安定した状態で泳いでいる姿が確認できる。

今回公開した個体は全長約1.2メートルで、ミツクリザメは成長すると全長約3.5メートルになる。世界各地の深海に暮らしているが(水深約1,200メートルまでの水域に生息)、生態などもまだ詳細はわかっていないという。日本以外では捕獲例が少ないが、東京湾、相模湾、駿河湾では多くのミツクリザメが捕獲されている。

今回公開したミツクリザメ(メス)

ミツクリザメの特徴は何といっても、そのあごの構造にある。普段は普通のサメと似た顔つきだが、両あごを大きく突き出すことができ、その際は異様な顔つきに変わる。英語では「ゴブリンシャーク(悪鬼のサメ)」と呼ばれており、最近の深海魚ブームで取り上げられ、テレビなどで紹介されることも多い魚となっている。

同園では何度かミツクリザメを飼育してきたが、長期の飼育には成功しておらず、2007年4月の2週間が最長記録。同園では、今回の個体は状態が大変よいようなので、長期飼育に向けて観察を続け、餌の捕らえ方など知られざる生態の解明に努める、としている。

なおミツクリザメの飼育は大変難しく、この魚の展示については突然の死亡で展示終了となる可能性が十分ある。死亡の際には、東京ズーネット公式Webページにて告知を行う。同園では、来園を希望する場合には、当該ページにて生存の確認をすることを推奨している。

同園の所在地は、東京都江戸川区臨海町6-2-3。