東京一番フーズは11月4日、同社子会社の長崎ファームが新宮市と近畿大学(近大)の支援のもと設立された「株式会社 食縁」の筆頭株主となり、食縁の今後の戦略策定・遂行の中核的な役割を担っていくことを決定したと発表した。

これにより食縁は、海外に国産養殖魚加工品(ブリ、マダイ、とらふぐが中心魚種)を輸出する「ジェネリック(包括的)マーケティング」を推進すると同時に、和歌山県新宮市に鮮魚加工場を置き、新宮埠頭からの海外輸出を展開していくこととなる。

また長崎ファームは、食縁の事業展開との取組みの1つとして、近大種苗の「近大生まれのブリ」の周年生産体制の優良養殖地域として長崎県平戸市の自社養殖場にてブリ養殖を開始することを決定したほか、長崎ファームの主力魚種であるとらふぐも魚種ミックスの中心魚種としてブリの海外市場獲得に合わせた市場開拓戦略を進めていくとしている。

なお、近大と食縁は「水産業の発展に関する協定」を締結しており、食縁の養殖種苗生産、養殖魚生産規格基準支援、養殖水産製品の品質向上などについて、近大による研究支援を受けつつ、実践的な事業展開を実現する関係性の構築を進めているとのことで、東京一番フーズでは、「近大生まれのブリ」のブランド養殖魚などで1兆円規模の拡大を続ける欧米の水産市場へ販売を目指す方針としている。