電通と電通テックは10月31日、NECの顔認証技術「NeoFace」を応用した顔認証コミュニケーション開発プラットフォーム「Face_in」の提供を開始すると発表した。

同プラットフォームは、デジタルテクノロジーを基点としたコミュニケーションプランニングやサービス開発を行う電通グループの横断チーム「_(アンダーバー)」と、「NeoFace」を保有するNECとのコラボレーションから開発されたものである。導入の容易さと高精度を両立させたもので、さまざまな顔認証コミュニケーションの展開が実現できる。具体的には、人の顔の特徴量データを登録・管理できるデータベースと顔認証用APIによって構成されており、ウェブやアプリケーションにAPIを実装するだけで、容易に顔認証の仕組みを導入することができる。

「Face_in」が導入されたサービスは、ユーザー自身がキャンペーンサイトなどから顔写真の事前登録を行うことで、店頭や屋外広告、イベント会場などに設置されたカメラの前に立つだけで、ユーザーの顔のデータと管理データベース内のデータが照合され、特定個人に向けたメッセージなどのインタラクションが起きる仕組みになっている。活用方法としては、イベントで、事前に顔写真を登録した参加者の顔のデータを入場パス代わりに使用したり、屋外広告に実装し、個人を認証した上で、当該個人向けにカスタマイズされた情報発信を行ったり、店舗で上得意客の情報を顔のみで店員が把握し特別な接客をするといったことなどが考えられるという。

なお、同プラットフォームは、イベントや屋外広告での実証実験にすでに成功しており、体験者の反応も良好だったことから、多様な活用機会を獲得できるものと判断したとコメントしている。

「Face_in」全体の構成図