駒沢オリンピック公園の中央広場で、10月24日から「東京ラーメンショー2014」が開催中だ。2009年に初めて開催されて以来、過去5回の累計で約160万人が足を運んでいる日本最大級のラーメンイベント。日本全国から選りすぐりのご当地ラーメンが大集合し、好みのものを自由に食べ比べることが出来る。

今年は開催期間を例年の10日間から1日延長して11日間の開催。前半の第1幕、後半の第2幕合わせて40種類以上のラーメンが登場する。全国各地のラーメンはもちろん、有名店同士のコラボラーメンや懐かしい当時の味を再現したレジェンドラーメン、期間中で提供ラーメンが入れ替わるブースなども。昨年は全ブース合計でおよそ19万食のラーメンが販売されており、ラーメン好きならぜひ足を運びたいイベントと言っていいだろう。

具体的にはどんなラーメンを食べることができるのか、そして会場の様子はどんな雰囲気なのか。さっそく取材してきたので紹介したい。

中には長い行列ができているブースも

会場は入場無料で、事前にラーメンチケットを購入する

会場の駒沢オリンピック公園に着いたのは昼すぎ頃。この日は平日にも関わらず、多くの来場客で賑わっていた。中には長く行列ができているブースも。会場は入場無料で、ラーメンは全て食券制。あらかじめチケット売り場で各店舗共通のラーメン券(1杯850円、税込)を購入してから、食べたいラーメンの販売ブースに並んでラーメンを受け取る。店舗によってはトッピングの増量や追加を用意しているラーメンもあり、その場合のみ各ブースで現金で追加料金を支払うことになる。

会場には大きな飲食テントが4カ所用意してある

好きなラーメンを受け取ったら、会場に用意してある大きな飲食テントへ。こちらにはテーブルや椅子、コショウなどが用意してあり、食べ終えたら自分で食器やトレーをエコステーションへ運ぶ。お腹いっぱいで食べ残してしまった場合も、各自でここで処分する。

各ブース前にはのぼり旗が立ち並び、大きな声を出して売り子さんが自分たちの提供するラーメンをアピールしている。会場のチケット売り場や運営本部では無料で公式ガイドブックが配布されているほか、ホームページ上でも提供ラーメンが写真つきで詳しく紹介されているので、まずはどのラーメンを食べるのかある程度目星をつけてからチケット購入やブースの列に並ぶとよいだろう。

それではお待ちかねの試食タイムへ。まず筆者が最初に食べてみたのは、1910年に東京・浅草で誕生した日本初のラーメン店「来々軒」のメニューを復刻再現したという醤油ラーメンだ。

日本初のラーメンを再現した「醤油ラーメン」

チャーシューにメンマ、ナルト、ネギというシンプルな具材

中細の縮れ麺を使用

スープはあっさり系で懐かしさを感じるような味わい

このレジェンドラーメンを担当したのは、有名店舗「せたが屋」の店主・前島司氏。鶏ガラベースに豚足を加えてじっくり煮込んだ清湯スープに生醤油を加えた元祖ラーメンで、麺は中細の縮れ麺を使用。具はシンプルにチャーシューとメンマ、ナルト、刻みネギのみで、あっさりとしたシンプルさと懐かしさを感じられる味わいとなっている。日本のラーメン文化の原点として、普段は濃厚でこってり系のラーメンが好きな人にもぜひ食べてみてもらいたい。

塩ベースのラーメン「福島鶏白湯」

次に並んだのは、福島ラーメンショーで8,000杯以上を売り上げたという触れ込みで長めの行列ができていた「福島鶏白湯(トリパイタン)」のブース。福島県を代表する会津地鶏や川俣シャモ、伊達鶏を使ったスープに低加水ストレート麺を用いた塩ラーメンで、福島では喜多方ラーメン、白河ラーメンに続く「第三のご当地ラーメン」としての定着を目指して作り上げられたという。

麺は低加水のストレート麺

細長く大きめなチャーシュー

塩味の黄金スープ

細長くて大きめのやわらかなチャーシューが1枚にメンマ、ネギなどが具としてのせられていた。ブースでは、別売りトッピングで川俣シャモ団子や味付き玉子、チャーシューの追加なども用意されている(各300円)。塩味の黄金スープには鶏の旨味や香りが最大限に引き出されていて、最後の一口まで全てスープを飲みきってしまった。

だんだんお腹も膨れてきたが、もう少し食べられそうだ。醤油、塩ときたので3杯目は味噌。北陸福井麺和会による「極旨濃厚味噌“ベジポタ”」のブースへ並んでみた。

福井のご当地ラーメン「極旨濃厚味噌“ベジポタ”」

ボリュームのある極太麺を使用

具はチャーシューやモヤシ、ニラなど

スープは濃厚な味噌に野菜の旨味がたっぷり

こちらは数種類の野菜をとろとろになるまでじっくり煮込んで旨味や甘みを濃縮した、いわゆるベジポタ(ベジタブルポタージュ)の味噌ラーメン。信州味噌と三重県産の豆味噌を絶妙な割合で合わせた特製味噌との相性が抜群。極太の麺にもスープがよく絡み、厚みのあるチャーシューやモヤシなどの野菜と相まって濃厚で食べ応えのある仕上がりとなっている。

マスコットキャラクターのなるとちゃん

物販や展示などさまざまなブースが用意されている

お土産用のラーメンも販売

さて、短い時間に3杯も食べてしまったので、休憩がてら少し会場を歩いて回ってみた。会場にはラーメン提供ブース以外にもドリンク販売やお土産用ラーメンなどの物販ブース、日本ラーメン史クイズなどの展示ブースがあり、時間帯によってはライブやトーク、エア湯切り選手権、ラーメン新人王グランプリなどのステージイベントも。開催時間は各日10時~21時(最終日は18時まで、ラストオーダーはいずれも終了の30分前)となっているので、何杯も食べたい猛者ならば再びお腹が減るまで少し時間を潰すのもよいかもしれない。

なお、10月29日までの第1幕が終了した後は店舗の入れ替えがあり、10月30日から11月3日までの第2幕では以下のラーメンなど20種類以上が登場する。

志那そばや「佐野実の醤油らぁ麺」(伝説)

麺屋いろは「鶏だし魚介ブラック肉盛そば」(富山ご当地)

白樺山荘×二代目えびそば けいすけ「伊勢海老味噌らーめん」(コラボ)

取材日は平日だったこともあり、長くても10分程度の待ち時間でラーメンを受け取ることができたが、週末などは混み合うことが予想される。各ブースでは売り切れ次第ラーメンは提供終了となるので、可能ならば早めの時間帯に訪れる方がよいかもしれない。

いずれにせよ、一度にさまざまな味を楽しむことができ、とにかくラーメン好きにはたまらないイベント。週末や仕事帰りにぜひ会場に足を運んでみてはいかがだろうか。

会場へのアクセスは、東急田園都市線・駒沢大学駅から徒歩15分。車での来場は不可。チケットは会場のほかに全国のセブンイレブンでも取り扱っている。一度購入したチケットの払い戻しはできない。犬などペットを連れてラーメンブースに並ぶことや飲食テントへの入場は不可、同伴の食事は指定エリアのみ可能。荒天時などにはやむをえず中止の場合ありとのことだ。