日本メーカーのデジタルカメラのデザイン、どう思いますか?

生まれた時から私たちは写真を撮られ、撮ってきました。誕生日や運動会、入学式に成人式、結婚式…さまざまな節目に写真を撮り、家族や子どもができると今度は自分が撮影する側になります。そんな時に使うカメラには、一眼レフにミラーレス、コンパクトカメラとさまざまなモデルがありますが、まったく持っていないという人は、意外に少ないのではないでしょうか。

今やそれほど生活に浸透しているカメラ。日本のメーカーは世界的にも有名ですが、外国人の方々はそのデザインをどうに見ているのでしょう。今回は、日本在住の外国人20名に「日本メーカーのデジタルカメラのデザイン、どう思いますか?」と質問してみました。

■近い機能で現代的なデサインもクラシックなデザインもあるので素敵です。(タイ/30代後半/女性)
■かっこいい。種類とデザインが多くて楽しい。(イスラエル/30代後半/女性)
■とてもかっこいいです(特に最近のミラーレスカメラ)。(アメリカ/20代後半/男性)
■かっこいいと思います。(アルゼンチン/30代前半/男性)

よい評価の中でも「かっこいい」という回答です。デジタルカメラは大きくわけて一眼とコンパクトに分類できますが、そのどちらにも当てはまりそうですね。例えば、リコーGR DIGITALシリーズは、その描写はもちろんデザインにも独自の個性があり、ファンが多いコンパクトデジタルカメラです。デザイン的には、フィルムカメラ時代の形をほぼそのまま移行したレトロな雰囲気がポイント。その後増えたレトロデザインは、この人気にあやかったものと言えるでしょう。

アメリカの方の回答にあるミラーレス一眼。一般向けのモデルは2008年にパナソニックが発売した「LUMIX DMC-G1」が最初です。一眼レフながらコンパクト、そのサイズ感と手軽さで話題になりました。ファミリー、女性層にも人気が高く急速に普及。2015年には一眼レフの台数を上回るのではという予想もあるそうですよ。

■使いやすくて見た目もかわいい。(スウェーデン/40代後半/女性)
■シンプルでミニマルなデザインが好きです。(スペイン/30代後半/男性)
■オシャレでコンパクト。(台湾/40代前半/男性)
■かわいいと思います。(韓国/40代後半/男性)

日本のカメラが「かわいい」と評される理由には、90年代の「ガーリーフォト」、2000年代の「カメラ女子」の存在の影響が大きいのではないでしょうか。気軽にカメラを楽しむ女性へのアピールを強めるべく、おしゃれさやかわいらしさ、使いやすさを重視したデザインがカメラにも増えました。

90年代に人気があったのはコニカのビッグミニなどでしたが、その後は見た目もかわいいものが主流となりました。2009年にOLYMPUSが発売したPEN Eシリーズは、「カメラ女子」の存在を意識して売り出し、白を基調にしたデザインが大人気に。ミラーレス時代を印象づけた一台です。

■色の選択肢があるので嬉しい。(ロシア/20代前半/女性)
■いろんな色があってよいと思います。(フィリピン/40代前半/女性)
■スッキリしていてシンプル。色は好き。(イギリス/20代前半/女性)

こうしたカラーバリエーションも、上記の「かわいい」に関する内容と同じく、女性を意識したことで生まれたものでしょう。商品撮影などを行うプロのカメラマンたちは、映り込みや撮影時に問題が少ない黒を選ぶそうですが、趣味での撮影ではそうした部分は必要ないですものね。

ちなみに2009年のアンケートでは、女性が欲しいと思うボディカラーの1位は「ピンク」、男性は「黒」だったそう。初期は驚くような色でしたが、今では各メーカーがピンクのモデルを出しています。2012年にはPENTAX QがLOEWEのAMAZONAとコラボしたショッキングピンクモデルを発売。色のバリエーションはどんどん広がっているようです。

■きれいです。(中国/20代後半/女性)
■きれいだと思う。(チュニジア/40代後半/男性)
■きれい。(オーストラリア/40代前半/男性)

「きれい」という表現にもさまざまな要素がありますが、メカという観点で見ても日本のカメラは美しいですよね。そうした部分が評価され、ニコン、キヤノン、オリンパスなどのカメラは、ドイツのレッドドット・デザイン賞やiFデザイン賞、アメリカのIDEAデザイン賞、日本のグッドデザイン賞など国内外のデザインアワードの常連となっています。

■いろいろな機能があるし、長く使えるので品質も高いと思います。(トルコ/30代前半/女性)
■使いやすいと思います。(ドイツ/40代前半/女性)
■便利で性能がいい。(ベトナム/30代前半/女性)
■性能と機能はすごい。(ブラジル/20代後半/男性)

かつて、外国の人がイメージする日本人は必ずカメラを首からさげていました。それほどカメラが日本人にとっては身近な物だったのでしょう。1970年代以降は日本製のカメラが世界を席巻、2013年の世界シェアは一眼カメラで98.6%、デジタルカメラは85%と、下方修正のニュースもありますがいまだ強い状況を見せています。

今回のアンケートに関して調査したところ、さまざまなメーカーのデザイン関連ページが出てきました。カメラはもともと機能重視のツールですから、見た目だけでなく機能や使いやすさとの関係も重要です。どんな考えでその形に、色に、ラインになったのか。さまざまな視点から考えられたデザインだけに、あらためて読んでみると驚くような発見もたくさんありました。興味のある人はぜひメーカーのページを訪れてみてください。