マグネスケールは、ナノメートルの分解能を有するオープン型直線磁気スケールを発表した。

これまで磁気スケールは、高い耐環境性があるものの、検出ヘッドのスケールの記録面からの距離に対して信号強度が急速に減少するため、ヘッドとスケールの間の距離を機械的に一定に保つユニット型でないと高分解能を得ることができなかった。この問題に対し、同社では、シンプルなオープン型スケールを開発するため、検出素子の高感度化の検討を行った。そして、先端磁気センサであるスピンバルブ方式のTMR素子を用いてスケール用磁気検出デバイスの研究を行い、従来比10倍の感度を持つ高性能の低歪センサの開発に成功したという。

また、磁気記録媒体の均一性を向上させると同時に、磁性体の充填密度を従来の2倍に向上させ、記録条件の最適化を行うことにより、スケールから出力される磁気信号強度を2倍以上に改善した。さらに、信号波長内の位置を高精度・高分解能で計算する新アルゴリズムを搭載した高機能演算処理回路の開発により、信号波長内の位置を1/1万の精度で出力することを可能にした。これらにより、スケール-ヘッド間距離を従来比で4倍、同距離変動許容を従来比で6倍、波長内精度を従来比で10倍、分解能では5nmを達成し、ナノメートル分解能を持つオープン型アブソリュート磁気式スケールの開発に成功したとしている。

なお、価格は有効長1000mmのアブソリュートタイプが8万円。2015年4月より発売する予定。

オープン型直線マグネスケール。(上)アブソリュートタイプ IP67、(下)インクリメンタルタイプ IP65 小型ヘッド