IBMとGLOBALFOUNDRIES(GF)は10月20日(現地時間)、IBMのマイクロエレクトロニクスに関連する知的財産、および技術者とテクノロジーを含むIBMのグローバルな商用半導体技術事業をGFが買収する正式契約を締結したと発表した。また、今後10年間、GFは、22/14/10nmプロセスの半導体に対するIBMのサーバプロセッサ向けの独占的な半導体技術の提供元となる。

IBMは同契約の成立によって、半導体の基礎研究と、次世代のクラウド、モバイル、ビッグデータアナリティクス、セキュアなトランザクションに最適化されたシステムの開発に専念していく。また、次世代のコンピューティングを主導するための半導体技術研究に対する5年間にわたる30億ドルの投資を継続する。この投資に伴い、GFは、IBMと提携関係にあるニューヨーク州アルバニーのニューヨーク州立大学アルバニー校の研究施設であるColleges of Nanoscale Science and Engineering(CNSE)の研究成果に優先的にアクセスできるようになる。

GFは、同契約の一環として数千件の特許を含む知的財産を取得することで、世界最大級の半導体特許ポートフォリオを有する企業となる。また、テクニカルチームを取り込み、10nm以下の最先端プロセスジオメトリの実現を確固たるものにするとしている。さらに、無線周波数(RF)や特殊技術、ASICの設計能力におけるビジネス機会が得られる。そして、今回の買収により、GFは2014~2015年におよそ100億ドルの資本支出計画を立てており、その大半がニューヨーク州に対する投資となる予定という。

IBMは、2014年第3四半期の決算で47億ドルの税引前経費を計上する。これには、資産の減損、マイクロエレクトロニクス事業の売却にかかる推定コスト、GFへの現金対価が含まれる。IBMからGFには、今後3年間にわたり15億ドルの現金対価が支払われる予定。現金対価は、2億ドルと推定される運転資本額で調整される。買収手続きは、適用される規制当局の審査を満たした上で完了する予定。