NECソリューションイノベータは、遠隔地農業指導を可能にする圃場管理システムを開発したと発表した。NECなどがイチゴのハウス栽培ノウハウを日本からインドに展開する「インドICHIGOプロジェクト」に導入し、今年7月から稼働を開始しているという。

このシステムは、日本のクラウドサーバを通じて、インドにある複数のハウスで管理している環境データを日本から遠隔監視し、現地に適切なアドバイスを提供するもの。クラウド環境を利用して、栽培ノウハウを持った日本の農業専門家が遠隔で支援することで、日本が得意とする商品価値の高いイチゴの海外栽培を実現する。

圃場管理システムのメニュー画面

具体的には、インドの現地作業員が、圃場に設置したセンサーのデータや日々の作業記録などをタブレットに保存し、インターネット環境が存在する場所からまとめてアップロードすることで、日本のクラウドサーバに圃場データを集約。農業生産法人GRAが、圃場管理システム上に可視化されたデータを日本で分析し、遠隔監視・指導を行う。

タブレットによる撮影の様子

管理するデータとしては、ハウス内の日照量、温湿度、養液や土壌のEC値/pH値、日々の育成状況の写真があり、これらを専門家の目から総合的に判断し、肥料の量や空調の調整などを行うという。