東京都の中核である庁舎"東京都庁"のデザイン、どう思いますか?

西新宿にドーンとそびえる東京都庁。丹下健三(構造設計は武藤清)の設計で約2年半をかけて建築、1991年4月に丸の内から移転しました。新宿副都心の中心建築物として、行政的な役割を果たす場であることはもちろん、国内外の観光者が訪れる施設としても人気が高い場所です。パークハイアット東京からも近いため、観光に訪れた外国人がセットで訪れることでも有名。では、この庁舎自体のデザインについてはどんな印象があるでしょうか。

そこで、日本在住の外国人20名に「東京都の中核である庁舎"東京都庁"のデザイン、どう思いますか?」と質問してみました。

■都庁はいいと思います。すごく現代的でかっこいい。(スウェーデン/40代後半/女性)
■現代的(イスラエル/30代後半/女性)
■現代的(オーストラリア/40代前半/男性)
■初めて見た時にはロボットみたいだと感じました。(タイ/30代後半/女性)

丹下健三の後期の代表作。機能だけでなく装飾性なども加味したポストモダン的なデザインは、80年代に流行した建築スタイルでもあります。バブル経済の最中に計画された超高層ビルという要素もあり、より現代的な印象を与えているのかもしれません。

■権威を感じます。(韓国/40代後半/男性)
■とても高くて頑丈に見える。(イギリス/20代前半/女性)
■すごいという印象を与える。(ロシア/20代前半/女性)
■現代東京の建築のよいシンボルである。(スペイン/30代後半/男性)
■昔から都庁はかっこいいと思っています。好きなランドマークのひとつです。(フィリピン/40代前半/女性)
■かっこいいと思います。(マレーシア/30代前半/男性)
■オシャレです。(中国/20代後半/女性)
■少し古い感じがしますが、きれいです。(ブラジル/20代後半/男性)
■穏やかな雰囲気がする。(台湾/40代前半/男性)

第一本庁舎の高さは243m。横浜ランドマークタワーが完工する1993年までは日本一の高さのビルとして名をはせました。第一本庁舎、第二本庁舎、都議会議事堂の3棟で構成。第一本庁舎はパリ・ノートルダム大聖堂から引用した正八角形をモチーフにするゴシック風の外観です。

また第二本庁舎には、同じく丹下が建設した新宿パークタワーと連続した要素があり、地域一帯をつなぐ統一性が感じられます。現在はミッドタウンタワーに抜かれたものの、新宿では1番の高さであり、さらに聖堂をモチーフにしていることが「権威」と「穏やか」といった一見相いれない要素を感じさせ、さらにシンプルに「すごさ」や「かっこよさ」も感じさせるのでしょう。

■デザインはかっこいいと思いますが、他の国でもよく見かけるものという感じもします。(トルコ/30代前半/女性)
■デザイン的にはすてきだと思いますが、実用的かどうかは別問題だと思います。管理費用がとてもかかっている話を聞いたことがあるので。(ドイツ/40代前半/女性)

現実的な回答。実際、2006年には雨漏りの補修に約1,000億円が必要との記事が日本経済新聞に掲載されています。特殊なデザインのため、一般的な補修方法では対応できないことがその理由なのだとか。

そうした問題をのぞけば、東京を示すアイコンとしての評価は高く、映画『ゴジラvsキングギドラ』、アニメ『機動武闘伝Gガンダム』、ゲーム『ソニックウィングス』などで都庁を見ることができます。

■特に印象的でもないです。(アメリカ/20代後半/男性)
■悪くはないけど特によくもない。(アルゼンチン/30代前半/男性)
■特に印象的でもないです。(ペルー/30代前半/男性)
■形が普通です。(ベトナム/30代前半/女性)

大きなくくりで言えば高層ビルのひとつ。高層ビルが多いアメリカなどではきっと日常の光景ですし、まあパッと見の印象は「ごく普通」ですよね。

筆者も免許証の更新などで都庁へ行くことがありますが、外国の方に人気の展望室にはまだ行ったことがないんですよね。今回のアンケートで興味が湧いたので、一度行ってみたくなりました。

あの一帯には独特な雰囲気を感じるのですが、みなさんはいかがですか。都庁も含め、開発によって完成した副都心らしい道幅や空間の雰囲気もあるから? 頻繁には行かない場所だけに、探検してみると面白い情報や発見があるのかも知れませんね。