慶応義塾大学(慶応大)は10月14日、豊田自動織機と共同で、病院内移動支援システムを開発したと発表した。

同成果は、同大 医学部の三村將教授、同大大学院 システムデザイン・マネジメント研究科の西山敏樹特任准教授らによるもの。

同システムは、搭乗移動する移動用ユニットとその運行を制御するソフトウェア、および利用者が操作するためのステーション端末で構成されている。搭乗者はステーション端末で利用予約し、到着した移動用ユニットに乗れば、目的地まで自動で移動することができる。運転操作は不要で、目的地の設定、移動中の経路変更、オペレーションの中止などは、車載のタッチパネルで行える。また、移動速度は時速1.2~1.8km程度で、前後75cmの範囲に障害物を検出すると減速して、25cm以内で緊急停止する。さらに、乗車している人が足を少し前に出すだけでも停止する。

この他、ユニバーサルデザインとエコデザインが融合したシステムとなっており、搭乗者の身体保護と、圧迫感・閉所恐怖の防止を両立する透明板ガード、および可動部やエッジ部位を露出させないよう配慮されたカバー類などを備えているのに加え、光や音を複合的に使用した移動用ユニット周囲への安全喚起などを行う仕組みになっている。

なお、同システムは、7月から実施した病院での患者の試乗評価でもおおむね良好な評価を得ているという。研究グループでは、普及に向けて検証評価を続けていくとコメントしている。

病院内移動支援システム運用イメージ

移動用ユニット