上野動物園ではこのほど、パコキサカオウムの展示を開始した。

コキサカオウムのオス ※画像提供:公益財団法人動物園協会

保護されたコキサカオウムを展示

コキサカオウムはオウム目オウム科に分類され、東南アジアに分布する。2008年、保護されたコキサカオウムの雌雄が警察署から同園に来園したが、これまで展示するスペースがなく、西園の非公開施設内のインコ・オウム用大型ケージで飼育していた。

今回、そのコキサカオウムが西園から東園へ移動。東園のバードハウス2階で展示している。オスよりメスの方が人に慣れているようだったため、まずはメスを展示。来園者から見られる環境に置かれたメスは、ガラスごしに飼育係や来園者を目にすると寄ってくることはあるものの、餌を食べてくれないという。

一方、後から展示したオスは、新しい環境や飼育担当者に驚いている様子だったが、時間が経つにつれて樹木などをかじったり、餌を食べたり、落ち着きを見せるようになった。

メスは相変わらず餌を食べておらず、羽を膨らませたり、よい状態ではないとのこと。結局、これまで長年使ってきたインコ・オウム用大型ケージを展示室の裏側に置き、その中に入れることにした。ケージに戻した途端、メスは勢い良く餌を食べ始め、すっかり元気を回復した。

同園東園飼育展示係・佐々木麻衣氏は、「しばらくオス1羽だけを展示しますが、メスも広い展示室に出られるよう、時間をかけて慣れさせていくつもりです」と話している。

同園の所在地は、東京都台東区上野公園9-83。