四国計測工業は10月7日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトにおいて、STEQと鹿児島大学と共同で、Ra80以上の高演色でありながら、超高輝度・大光量のLED照明を開発したと発表した。

開発したLED照明は、単一面光源による照明としては、定格光束が6万3200lm~6万8000lmと世界最高クラスである。新たに開発した技術により、LEDの集積率を高めるとともに、放熱を強化して大光量・長寿命と省エネルギーを同時に達成した。

具体的には、高出力COBモジュールに、高い熱伝導性を有する基板を用いることにより、LEDチップを高密度で多数配置した。これにより、マルチシャドウ(多重影)の生じない均一な強い光を遠くまで照射できる大光量の単一面光源を実現したのに加え、LEDチップから基板への放熱性を約1.8倍改善している。さらに、高出力COBから発生する大量の熱を逃がすための小型・高性能なヒートシンクを開発し、大気への放熱性を従来より約2.5倍向上させている。

これらにより、高輝度・大光量照明として利用されている従来の高輝度放電ランプ(HIDランプ)照明と比較して、投光器では約53%の省電力で同等の照度を、また、高天井照明では64%の省電力で同等の照度を達成するなど、Ra80以上の高演色でありながら大幅な省エネルギーを実現している。

なお、四国計測工業では、今回開発した超高輝度・大光量のLED照明器具とCOBモジュールの販売をすでに開始している。

開発したLED照明およびCOBモジュール。(左)投光器、(中央)高天井照明、(右)COBモジュール

開発したLED照明の概略図