米NVIDIAは7日(現地時間)、ノートPC向けGPUの新ハイエンドモデル「NVIDIA GeForce GTX 980M」と「NVIDIA GeForce GTX 970M」を発表した。第2世代のMaxwell(開発コード名)アーキテクチャを採用することで、パフォーマンスと電力性能が向上している。

NVIDIA GeForce GTX 980M

NVIDIA GeForce GTX 970M

2014年9月に発表したデスクトップ向けGPU「NVIDIA GeForce GTX 980」と、その下位モデルとなる「NVIDIA GeForce GTX 970」と同様に、第2世代のMaxwellアーキテクチャを採用している。第2世代のMaxwellアーキテクチャでは、CUDAコアをまとめたSM(Streaming Multiprocessor)の構成を見直すことで処理性能を向上させたほか、前世代であるKeplerアーキテクチャの倍の省電力性能を実現するという。

Maxwellのダイショット

NVIDIA GeForce GTX 980のブロックダイヤグラム

より緻密な表現を可能する「Dynamic Super Resolution(DSR)」や、高品質ながら低負荷のアンチエイリアス処理「Multi Frame sampled Anti-Aliasing(MFAA)」、「グローバル・イルミネーション」の負荷を軽減する「VXGI」(VoXel Gloval Illmination)といった「NVIDIA GeForce GTX 980」や「NVIDIA GeForce GTX 970」で導入された技術にも対応する。

■「第2世代Maxwellアーキテクチャ」の解説記事はこちら
【レポート】GeForce GTX 980/970詳報、第2世代MaxwellことGM204コアのアーキテクチャを解説

デスクトップ向けGPUとノートPC向けGPUの性能比についてNVIDIAは、デスクトップを100%としたとき、Fermi世代ではおよそ40%、Kepler世代ではおよそ60%だったものが、Maxwell世代では80%まで差が縮まっていると説明する。また、Fermi世代ではフルHD(1,920×1,080ドット)の"High"設定、Kepler世代ではフルHDの"Ultra"設定が可能だったが、Maxwell世代ではすべての設定を最高にしてフルHD解像度でゲームをプレイできるという。

アーキテクチャが刷新されるごとにノートPC向けGPUのパフォーマンスがデスクトップ向けGPUに近づいている

より高い設定でゲームプレイすることも可能になってきた

前世代の「GeForce 800M」シリーズで投入された、ゲームプレイ時のバッテリ駆動時間を延ばすことができる「Battery Boost」機能も強化。バッテリ駆動時でも負荷の高いゲームがプレイ可能になったほか、より電力の消費を抑えるという。

GTX 680Mではバッテリ駆動時に高負荷のゲームはそもそもプレイできなかったが、GTX 980Mでは高負荷のゲームでもある程度のフレームレートでプレイできる

Battery Boostによってバッテリ駆動時間を延ばすことが可能に

「NVIDIA GeForce GTX 980M」と「NVIDIA GeForce GTX 970M」の仕様は以下の通り。「NVIDIA GeForce GTX 980M」と「NVIDIA GeForce GTX 970M」を採用したゲーミングノートPCは、MSIやASUSなどから投入される予定だとしている。

モデル名 GTX 980M GTX 970M
プロセス 28nm 28nm
アーキテクチャ Maxwell Maxwell
CUDAコア数 1536基 1280基
クロック 1,038MHz + Boost 924MHz + Boost
メモリクロック 2500MHz 2500MHz
メモリ容量 GDDR5 4GB GDDR5 3GB
メモリバス幅 256bit 192bit