三菱電機と東北大学は10月3日、長距離通信が可能なマイクロ波帯(5GHz)と超高速通信が可能なミリ波帯(60GHz)の受信回路を、低コストなSi-CMOSで1チップ化した5GHz/60GHz帯デュアルバンド対応Si-CMOS受信RFICを開発したと発表した。

詳細は、10月5日よりイタリアで開催される国際会議「EuMW 2014(European Microwave Week 2014)」にて発表される。

無線通信ネットワークには、大規模災害時を含め、どんな状況下においても安定した通信環境を提供できる高い信頼性と、通信の高速化が求められている。東北大学は、1つの端末で複数の無線規格に対応(ヘテロジニアス)し、最適なシステム回線を選択することで、長距離通信と超高速通信のシームレスな切り替えを可能にする構想を"ディペンダブル・エア"として提唱してきた。

今回、この構想に沿って三菱電機と東北大学は、5GHzのマイクロ波帯と60GHzのミリ波帯を、低コストなSi-CMOSで1チップ化した5GHz/60GHz帯デュアルバンド対応Si-CMOS受信RFICを開発した。同試作品は、5GHz帯と60GHz帯に対応した回路を一部共有することで、周波数帯ごとに分けた場合と比べ、回路面積を約30%削減している。また、基板にICを実装した時の電波経路を電磁界シミュレーションで予測することで、ICの試作回数を減らし、開発コストを削減できるという。

今後は、同成果を用いて、IEEE 802.11系の無線LAN規格などの標準化に貢献していく。また、三菱電機の高周波デバイス事業、特にミリ波帯の通信製品の開発にも同成果を順次応用していく予定としている。

5GHz/60GHz帯デュアルバンド対応Si-CMOS受信RFIC