お笑いコンビ・オリエンタルラジオ(以下オリラジ)の中田敦彦と藤森慎吾が、2日に放送されたテレビ朝日系のバラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(毎週木曜24:15~)で、天狗状態からの転落人生を振り返った。

オリエンタルラジオの中田敦彦(左)と藤森慎吾

同日よりスタートしたこの番組は、大きな失敗をしてしまった"しくじり先生"が毎回訪れ、しくじり学園の生徒たちに「しくじらないための処世術」をレクチャーするというもの。若林正恭(オードリー)が担任先生役を務め、生徒役として吉村崇(平成ノブシコブシ)、澤部佑(ハライチ)、ラフレクラン、中村静香、菊地亜美が出演する。

レギュラー化して初の"しくじり先生"は、「武勇伝」のネタで一世を風靡したオリラジ。デビュー3年で10本のレギュラー番組に出演していたが、それらはすべて終了。オリラジは当時を振り返って、その原因が「2人そろっての天狗状態」にあったと見ている。さらに中田は、「大手事務所がゴリゴリに押して全部終わったのは、おそらく初めて」と分析。自らその転落人生を「吉本初。ゴリゴリ押しのゴリ終わり」と表現した。

ここから、中田は"芸能人と天狗"のメカニズムを解説。まず最初に生徒たちに伝えたことは「なりたくてなる天狗はいない ~気づいた時にはもう遅い~」。中田は「『調子こいてる』という意味合いで使われることが多いですが、本当の定義はそこじゃない。天狗には自覚症状がない」と主張し、新たな定義として「特別扱いを当然だと思ってしまっている状況」と提唱した。現場マネージャーの数が多いことや、楽屋の弁当の種類が多くてもほかを見ていないため、それを特別のことと受け止めていなかったという。

続いて、当時の「天狗だったと思う発言」を紹介。ノリノリの時期にMCを任されることもあった2人は、大御所を気さくにまわそうとしたことも。そこで藤森が大橋巨泉に言い放ったのは「巨泉さん。そん時の面白エピソードなんかあります?」。一方の中田は当時、事務所からやりたいことを聞かれて映像作品を撮ることを提案。若手芸人としては破格の映画1本を撮れるほどの予算が投じられた。1年間重ねた会議にはベテラン作家20人が集い、中田は持ちかけられたアイデアを「違うな」などと判定。その作家陣を前に中田は「普通の笑いを作りたいんじゃないんですよ。僕、時代を作りたいんすよ」と言い放ったという。ちなみにこの時、デビュー2年目。

次に伝えたのは「番組の終わり方を知ることが大事」。それは反響が全くない「無反応期」にはじまる。中田はある日ジムを訪れた際、ルームランナーに付いているモニターで自分の番組を見ている人がいなかったことから、この「無反応期」を実感。その後に迎えるのが「テコ入れ期」。番組の企画が定まらない、旬なタレントが急にレギュラー出演、タイトルに合わない内容、スタジオでたくさん喋ったのにほぼVTR。これらの兆候が「テコ入れ期」だという。

また、最近の藤森はスタッフへのあいさつも気をつけるようになったそうで、当時は「おざーっす」。今では台本のスタッフ表をすべて持ち帰り、それぞれのスタッフが担当した番組を調べて、次に会った時にその感想を伝えているという。最後に「業界内の秩序を守ってください」と付け加えた。次週は後編として、天狗の末路「パラシュートタイム」のレクチャーが放送される。