音楽プロデューサーの"ヒャダイン"こと前山田健一が、能年玲奈主演の映画『海月姫』(12月27日公開)で劇中音楽を担当することが2日、明らかになった。

映画『海月姫』(左)で劇中音楽を手がける前山田健一

映画の原作は、漫画家・東村アキコが2008年から漫画雑誌『Kiss』(講談社)で連載している作品で、累計発行部数270万部(1~13巻)を突破した人気漫画。能年演じるクラゲをこよなく愛する主人公・倉下月海(くらした つきみ)と、自らを"尼~ず"と称して「男を必要としない人生」を掲げる"オタク女子"たちとの共同生活を描く。

ももいろクローバーZをはじめ、AKB48、でんぱ組.inc、中川翔子といったアイドルをはじめ、アニソンやCM、ゲームなど多岐にわたって楽曲を提供している前山田。映画の劇中音楽を手がけるのは今回が初めてのことで、今回のオファーを「実写に音をつけるということが初めてだったのでとても光栄でした」と受け止め、36曲を書き下ろした。

また、原作漫画を読んだ上で「歌ものとは違い、楽曲が主役ではなく登場人物の心情に寄り添う役割なので『名脇役』になるよう徹底しました」と意識。撮影現場にも足を運び、「何回『すげえ』と言ったことでしょうか…。屋内の巨大スタジオにアパート天水館がまんま建造されていて、映画というエンタテインメントの底知れなさを感じました」を含め、「天水館の空気を肌で感じ、香りを吸い込み、より一層映画の世界観と自分のチャンネルをシンクロさせることができたと思っています」と自身の感動を楽曲制作に生かした。

その上で、「『海の中』と『ほのかな恋心』が二軸としてありました」というイメージのもと、「ストーリーが軽妙なので低音をなるべく控え、海の中の浮遊感を表現しました。さらに、ラブストーリーも本当に可愛らしいものなのでそれにフィットしたキュートな音作りにしています」という工夫も。井手陽子プロデューサーは、「個性豊かなキャラクターたちの物語に、さらなる個性を加えてくれると思いました」と前山田の起用理由を明かし、「『海月姫』愛に溢れる劇伴(劇中音楽のこと)は、本当に面白く、印象的な楽曲ばかり。前山田さんにご参加頂き、『海月姫』はさらにパワーアップしました!」と絶賛のコメントを送っている。