JR東海はこのほど、東海道新幹線の架線を低コストな次世代架線に切り替えると発表した。11月以降、東海道新幹線区間の約7割に相当する、曲線半径2,500m以上の明かり区間(トロリ線の交差箇所を除く)に順次導入する。

従来型の架線(ヘビーコンパウンド架線)

次世代架線(高速ヘビーシンプル架線)

従来の架線は、上から順に吊架線、補助吊架線、トロリ線の3本で構成されているが、今回導入する次世代架線には補助吊架線がなく、吊架線とトロリ線の2本のみ。架線を1本減らすことで部品点数も低減され、導入以降の取替えコストを約2割削減できるという。故障の発生も従来より抑えられる見込みだ。

この次世代架線「高速ヘビーシンプル架線」は、長編成、高密度かつ高速走行を特徴とする東海道新幹線に対応する低コストな次世代架線として、JR東海が開発を続けてきたもの。営業線に近い条件下の試験装置(電車線試験装置)による技術開発、高速区間での現地試験を経て実用化に至った。今回導入しない区間についても、引き続き導入に向けた技術開発を進めるとしている。