世の中にはモノ好きな人がいるようで「幼虫グミ」なるものがあるという。幼虫の、グミ? 一体どんなグミなのか、この代物を実際に取り寄せて食べてみた。

ぷにょぷにょした触り心地が……

幼虫グミを製造販売しているのは「赤いテントのコーヒー店」。早速ネットで注文してみると、数日でクール宅急便が届いた。

早速箱を開けてみると、中にはこのような紙が入っている。「皆さまに楽しんで頂けると幸いです」との店長からのメッセージが。

注文したのはこの5品。上から「内蔵君(\350)」、「さなぎ君(\300)」、「アゲハみどり君(\300)」、「なまこ(\300)」、「おんちゃま君(\350)」(全て税込)。ケースごしに伝わってくるこの存在感。

まずは、まだ可愛い方の「アゲハみどり君」から。ちょっとひんやりしていて、手触りがぷにょぷにょしているんだけど、しっかりと身がつまっている感じ。実物大より結構大きくデフォルメしてあるが、これがメロン味のグミだという。さっそく一口食べてみる。

なるほど。たしかにメロン味のグミではある。が、しかしビジュアルがビジュアルだけに、メロン味だと言われないとよくわからない。食感は、まさにグミ。この見た目とマッチしている。

作り手のこだわりが感じられる逸品

続いては、さなぎ君。ホームページの説明文には「内側に折り込んだ足が可愛い 飼育したことのある人なら分かるこのリアル感 オレンジ味で通好み」とある。たしかに子どもの頃、カブトムシを幼虫から飼育したことがあるので本物のさなぎを見たことはあるが、この照りといい、くびれといい、なかなかリアル。なんとなく食べづらいが、勇気を出して食べてみる。

こちらも言われなければオレンジ味とはわからないが、普通のグミと同様、美味しくいただくことができる。

続いては、おんちゃま君。説明書きには「カルピス味で可愛らしい」とあるが……。筆者は特別昆虫嫌いではなく、子どもの頃は普通に幼虫と触れ合ったりした経験を持つだけに、このぷっくり感とか、今にもモジモジと動き出しそうなところが妙にリアルだと思ってしまう。匠のこだわりが感じられる逸品。

食べてみると、キモさはあるがこれが一番グミとしてしっくりきた。

噛むと中からドロリとしたものが

さて、いよいよ一番人気だという「内臓君」の登場。手に持ったときに妙にズシッとくる感じがかなりカブトムシの幼虫に近い。顔の部分や体の横の斑点にも細かい仕事が施してある。作者の幼虫に対する愛がひしひしと伝わってくる。そして、胴体には何やらうっすらと透けて見える黒いものが。嫌な予感がするが、勇気を出して食べてみる。

すると中から何やらドロッとしたものが……。これが内蔵君のネーミングの由来か。よくよく味わってみると、中につまっているのはブルーベリーのジャムらしい。幼虫の体内からブルーベリージャム。なかなかのセンス。

最後は、なまこ。こちらだけ昆虫でも幼虫でもないし、君付けもされていないが「海シリーズの新作!」とのことらしい。今後、さらに海シリーズをリリースする予定なのだろうか。ちなみにこれはコーラ味。こちらも美味しくいただけた。

贈り物にいかが?

今回取り寄せてみた品の中では、内臓君とおんちゃま君が群を抜いたインパクトだった。特におんちゃま君は一個注文すると一匹ではなく複数入っているところが実にリアルで良かったと思う。

今回紹介した幼虫グミ。2008年頃に、店主の大下進氏が、小学生の甥たちのために作ったのがはじまりという。歯科技工士の協力を得てシリコンゴムの型を手作りして制作した。

虫が好きな子供たちには大ウケすることだろう。あと、女性にプレゼントして驚かせる、という用途もあるかもしれないが、見た目も手触りも結構リアルなため、虫嫌いな女性だった場合は本気で怒られる可能性もあるのでご注意を。