不妊の原因は子宮の冷え? - 医師「子宮はそう簡単に冷えません」

 

妊娠を望む人向けの「妊活本」が数多く出版されている。その中で度々見るのが、「冷え」に関する記事だ。冷えを妊娠の大敵とし、末端の冷えはもちろんのこと、とにかく「子宮を冷やすな! 」とされていることが多い。果たして本当に冷えは不妊の原因となるのだろうか。

冷えと不妊は無関係

真夏でも腹巻を着け、厚手の靴下を履いている不妊治療中の女性は多いのだとか

産婦人科医で性科学者の宋美玄医師は、「冷えと不妊は全く関係がありません」と言い切る。「そもそも、子宮はそう簡単に冷えないんですよ」とも続ける。

「子宮は骨盤の中にあり、太い血管に囲まれた身体の中で最も温かい場所にある器官です。手足やおなかが少しくらい冷えても、全く影響を受けません。『妊娠したいならまず腹巻を』なんて記事も見かけますが、根拠がなさ過ぎる。サーモグラフィーで体温を解析した上で妊娠率を比較したデータなんてありませんから」と指摘する。

さらに、生姜を食べて体の中から温めることで妊娠力を高める、という話もよく耳にするが、これについてはどうなのだろうか。「生姜は漢方薬の一種で、実際、月経不順の際にはこういった漢方で改善されることもあります。しかし、これは不妊治療の一環として医師が処方しているわけではありません」。

日本には「冷えは万病のもと」という言葉があるが、そもそも冷えという概念は西洋医学にはないと宋医師。また、冷えの概念がある東洋医学の世界においても、「身体を温めれば万事OKという簡単な解釈ではありません」とのこと。さらに言うと、「確かに体の中心部まで冷えてしまう『低体温症』はありますが、これは生命に危険が及ぶレベルの話。手足が冷たく感じるという程度で低体温症、というわけではありません」。つまり、生命の危機というレベルまで冷えなければ、体の中でも体温が安定した場所にある子宮が冷えてしまうことはないのだ。

以上のことから、「生姜や腹巻の効果で妊娠率が高まるという考え方には何の根拠もなく、『これさえ食べれば妊娠する』という便利アイテムは存在しません。冷えの改善にためにいろいろと工夫をこらすのはかまいませんが、不妊のすべての理由が冷えにあるという信奉的な考えは改めたほうがいいでしょう」。

※画像は本文と関係ありません。

宋美玄(そん みひょん)医師

産婦人科女医・性科学者
1976年兵庫県神戸市生まれ。2001年大阪大学医学部医学科を卒業。同年医師免許取得、大阪大学産婦人科入局。2007年川崎医科大学講師就任、2009年イギリス・ロンドン大学病院の胎児超音波部門に留学。
2010年には日本国内の病院にて産婦人科医として従事する傍ら、「女医が教える本当に気持ちいいセックス」を上梓。50万部突破の大ヒットとなる。 2012年には第一子となる女児を出産。現在、フジテレビ「とくダネ!」火曜日レギュラーコメンテーターとしても出演中。
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