11月に名古屋市と岡山市で開かれる「ESDに関するユネスコ世界会議」。開催に先駆け、「今日よりいいアースへの学び」の実践の場をつくり広く参加を募るため、「ESD フェスタ 2014 秋 in 東京」と題した子ども向けのイベントが20日、東京都江東区にある日本科学未来館で開催された。

イベントに出席した下村博文文部科学大臣とESDオフィシャルサポーターの3人。イベントに出席できなかったオフィシャルサポーターのもう1人であるプロテニスプレーヤー・スポーツキャスターの松岡修造さんからは、ビデオメッセージが届けられた。

ESDとは“Education for Substainable Developement”の略で、日本語では「持続可能な開発のため」の教育と訳される。持続可能な環境を地球規模で考え、環境、経済、社会を一体化して捉え、次世代に引き渡していくための教育を施していくことを目指すのが目的。

一方、2002年に開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグサミット)」においては、日本が「持続可能な開発のための教育の10年」を提唱。これを受け、同年開かれた第57回総会決議により、2005年から2014年までの10年間が“国連ESDの10年”と定められ、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が主導して取り組みが続けられたきた。そして国連ESDの10年の最終年となる2014年は提唱国である日本において、11月4~12日にかけて名古屋市と岡山市で「ESDに関するユネスコ世界会議」が行われ、これまでの10年の総括と議論が繰り広げられる。

今回、その直前イベントとして行われた、ESD フェスタのオープニングセレモニーには、下村博文文部科学大臣が登壇。「地球に人類が住み続けられるよう地球環境を守っていかなければならない。しかしその一方で開発も行っていかなければならない。その2つをどう両立して守っていくかという取り組みとしてESD教育を続けてきた。その総決算として11月に開かれるのがESDユネスコ世界会議。地球と共存共栄できるようにしていくことが大切です」と挨拶し、11月に開かれるESDに関するユネスコ世界会議をアピールした。

「絶滅危惧種に指定されているウナギもこのままだと食べられなくなってしまう」と一例を挙げ、ESDの必要性を説明する下村博文文部科学大臣。

また、イベントにはESDオフィシャルサポーターを務める、東京海洋大学客員准教授のさかなクンさん、シンガーソングライターの白井貴子さん、宇宙飛行士の山崎直子さんが出演。トークショーや、歌とダンスショーなどが行われた。

オフィシャルサポーターのもう1人松岡修造さんはビデオで出演。「ESDを知れば知るほど自分が好きになる! 周りを理解できる! ESDによってできる!」とメッセージ。

葉っぱ型のカードに来場者がメッセージを書き、貼りつけるけやきの木をモチーフにしたESDメッセージボード。4人のゲストもそれぞれカードを貼り付けた。メッセージボードはESDユネスコ世界会議で掲示される。

ESDのメッセージソング「僕らは大きな世界の一粒の命」を披露する白井貴子さん。バックダンサーは江東区八名川小学校の児童が務めた。

イベント会場では、ESDオフィシャルサポーターがプロデュースした工作などのワークショップを体験できるブースやスタンプラリー、メッセージボードなどが設置され、家族連れを中心に多くの人が様々な体験を通してその意義を認識し、ESDユネスコ世界会議に向けて意識を高める機会となった。

様々な体験ブースが設置されたイベント会場。

さかなクン隊員ブース“お絵かき水族館”。さかなクンサクの魚のイラストに色を塗って川や海の生き物の世界を完成させる。

白井貴子隊員ブース“♪音を鳴らそう!手作り楽器♪”。身近な素材を組み合わせて、オカリナなどオリジナルの楽器を手作りを体験。

山崎直子隊員ブース“宇宙工作教室”。地球や月、ロケットなどのペーパークラフトを作り、宇宙から見た地球の素晴らしさを学ぶ。

松岡修造隊員ブース“熱くなれよ!自転車発電”。松岡隊員の熱い声援を受けながら自転車を漕いで自己発電を体験。

その他スゴロクや紙芝居などを通してESDを学習できる7つのブースが出展。