日本の女子学生が着ている制服"セーラー服"のデザインをどう思いますか?

日本の女子中高生の制服としておなじみのセーラー服。特徴はセーラーカラーという大きな襟で、海軍の軍服として、また子供や女性の洋服としても流行し世界的に有名です。現代は制服の一方でコスプレ衣装としても人気が高く、「Sailor fuku」の名称で広がっているそう。海外の方々にも文化面、カルチャー面で比較的なじみ深いこの形、学生服としてはどう見えているのでしょうか。

今回は、日本在住の外国人20名に「日本の女子学生が着ている制服"セーラー服"のデザインをどう思いますか?」と質問してみました。

■かわいい。(ロシア/20代前半/女性)
■かわいいです。見ると青春って感じ。(タイ/30代後半/女性)
■かわいいと思います。(フィリピン/40代前半/女性)
■かわいいです。(中国/20代後半/女性)
■かわいい。(台湾/40代前半/男性)
■かわいいと思います。(マレーシア/30代前半/男性)
■かわいいと思います。(ベトナム/30代前半/女性)
■かわいいです。(スウェーデン/40代後半/女性)
■かわいいと思います。(ペルー/30代前半/男性)
■かわいい。(イスラエル/30代後半/女性)
■きれい。(オーストラリア/40代前半/男性)
■とてもきれいです。(チュニジア/40代後半/男性)
■かっこいいです。(スペイン/30代後半/男性)

肯定的な意見が多く集まりました。女子学生の制服として、初めてセーラー服を導入したのは1920年、京都府・平安女学院。ただ、こちらはワンピース型で、一般的なセパレート型の最初は福岡県・福岡女学院が最初なのだそうです。エリザベス・リー校長がイギリス留学中に着ていたセーラー服を元にした体操服を作ろうと、太田洋品店の太田豊吉に制作依頼して完成させました。つまり最初は体操着として、のちに学生服として採用された物だったのです。プリーツスカートは、体操服として動きやすい形ということで、この時に太田氏が考案したものなんですって。

■スカートがフリフリして風に舞いやすいと思う。(トルコ/30代前半/女性)
■かわいいが、スカートが短いと思う。(イギリス/20代前半/女性)
■かわいいけど、学習に必要ではないと思います。(ブラジル/20代後半/男性)

約8割を占める「かわいい」という回答の中にあった、「かわいいけど●●」という注釈付きがこちら。「スカートがフリフリ」で風に舞いやすいのは、前述のように最初は体操服であり、動きやすさを追求したことによるものなのです。

実は、丈は時代ごとに大きく変動しています。80年代は不良の登場など社会問題とも関連し、男子学生の長ラン(「学ラン」のアンケート記事を参照)同様に、女子学生にも床につくほど長い改造スカートが流行しました。この様子はドラマ「スケバン刑事」などでも見ることができます。現在のように短い丈は90年代に入ってからで、90年代はミニ~超ミニ丈、現在は膝上~膝丈程度に落ち着いているようです。

■時代を感じます。(ドイツ/40代前半/女性)
■少し古いですね。(韓国/40代後半/男性)
■実用的でないと思います。(アメリカ/20代後半/男性)
■あまりよくない。(アルゼンチン/30代前半/男性)

時代感や古さを感じるという回答は、おそらく80年代のセーラー服をご存じの方なのでしょう。ちなみに、昨年放送されたアニメ「キルラキル」では、ごくオーソドックスな紺色セーラー服にミニ丈プリーツスカートという、新旧を融合した形が見られます。上記の方々がこのスタイルをご覧になったら、どう感じられるかが少し気になるところです。

80年代には映画「セーラー服と機関銃」やおニャン子クラブ「セーラー服を脱がさないで」など、単なる制服というだけでなく、女子高生のアイコンとして多くの作品に使われました。以降、1990年代の「美少女戦士セーラームーン」、2000年代初頭の「涼宮ハルヒの消失」(スカートはボックスプリーツ)、そして先述のキルラキルなど、マンガや映画などの世界では今も人気がある、学ラン同様に学生らしさのアイコンとなっています。実際の制服としては減少傾向にありますが、なくなってほしくはないな…としみじみ感じるアンケートでした。