東京都・代官山のアートフロントギャラリーでは、金沢21世紀美術館に恒久展示されている「スイミング・プール」など空間を使った作品で知られているレアンドロ・エルリッヒの個展「Fragments of Illusion」が開催されている。開催期間は10月5日まで(月曜休み)、開場時間は11:00~19:00。入場無料。

Leandro Erlich《Cloud》(2014)21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa, Japan (c) photo: Keizo KIOKU, courtesy 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa

同展では、国際的にも旬の作家であるレアンドロ・エルリッヒの作品の魅力をよりコンパクトに凝縮した新作を紹介。彼の作品の魅力は、世代を超えて誰もが作品の空間で遊べる親しみやすさにあるが、今回の新作はこうした身体、空間を使ったプロジェクトベースの作品とは異なる視点で楽しめる。

また、東京都・霞ヶ関の飯野ビルディングには、今回展示されている「Cloud」の大型版インスタレーションが設置されており、さらに11月7日にはレアンドロ作の新たなパブリックアートが完成し、一般公開されることになっている。

なお、レアンドロ・エルリッヒは、2000年のホイットニー・ビエンナーレでデビュー後、2001年、2005年のヴェネチア・ビエンナーレで国際的な注目を集める。日本においては2004年、金沢21世紀美術館の開館以来の常設作品「スイミング・プール」で広く知られており、同館にて先日まで開催されていた個展も好評を博した。そのほかにも、2006年の越後妻有アートトリエンナーレでの作品「妻有の家」や、2010年の瀬戸内国際芸術祭で女木島の民家を舞台に発表された作品「不在の存在」、2012年に開館した越後妻有里山現代美術館「キナーレ」に常設展示されている作品「トンネル」といったプロジェクトベースの作品を日本でも多数発表している。