NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社から「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」が発売された。発売直後の時点で、各社のネットワークのつながりやすさにはどの程度の差があるのだろうか。そこで本稿では「JR池袋駅」で3キャリアのiPhone 6の通信速度を比べてみた結果をお伝えする。

発売日当日にドコモ版、au版、ソフトバンク版のiPhone 6を入手した。今回の速度計測、最終地となる池袋駅の結果は如何に?

JR池袋駅で計測、結果は如何に?

筆者が3キャリアのiPhone 6を持って、最後に降り立った先は池袋駅のホーム中ほど。ここでもデータ通信速度を計測できる専用アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を使用し、各キャリアの下り/ 上り速度を計測した。3回ずつ通信速度を計測し、その平均値を実測値としている。

JR池袋駅のホームでもデータ通信速度を調査。結果はドコモ版は下り32.0Mbps/ 上り11.0Mbps、au版は下り54.1Mbps/上り6.6Mbps、ソフトバンク版は下り69.2Mbps/ 上り23.0Mbpsとなった。

NTTドコモ 下り32.0Mbps/ 上り11.0Mbps
KDDI(au) 下り54.1Mbps/上り6.6Mbps
ソフトバンク 下り69.2Mbps/ 上り23.0Mbps

池袋駅では、ソフトバンク版のiPhone 6が下り平均70Mbps近い値で圧倒。au版は下り平均50Mbps台、ドコモ版は下り平均30Mbps台で、こちらも安定して通信できた。

ソフトバンクの強さの秘密とは?

今回、JR山手線沿線の主要5カ所計測した結果、下り速度においてはすべて勝利。上り速度についてはドコモが3駅でトップ、次いでソフトバンクが2駅で、ソフトバンク版iPhone 6の通信速度が安定した電波の強さを発揮する結果となった。

計測地 NTTドコモ KDDI(au) ソフトバンクモバイル
下り平均速度 上り平均速度 下り平均速度 上り平均速度 下り平均速度 上り平均速度
有楽町 43.6 20.1 14.4 5.9 68.0 6.0
新橋 58.1 8.1 47.8 7.2 63.2 24.1
渋谷 29.7 15.7 33.7 6.8 66.0 10.5
新宿 5.9 3.7 20.2 3.1 35.2 5.2
池袋 32.0 11.0 54.1 6.6 69.2 23.0

今回計測した5カ所の平均速度

NTTドコモ KDDI(au) ソフトバンクモバイル
下り全体平均 上り全体平均 下り全体平均 上り全体平均 下り全体平均 上り全体平均
33.8 11.7 34.1 5.9 60.3 13.8

今回、ソフトバンクのネットワークが強かった理由はどんなところにあるのだろうか。最後に考察してみたい。

ひとつ考えられるのは、iPhone 6が新たな通信方式に対応したことだ。従来のソフトバンク版iPhoneでは、FDD-LTEによる「SoftBank 4G LTE」で通信を行っていた。iPhone 6では、このFDD-LTEに加えて新たにTD-LTEにも対応しており、ソフトバンクが展開しているAXGPの「SoftBank 4G」が広範囲で利用可能になった。同社では、これまでAndroid端末においてのみSoftBank 4G LTEおよびSoftBank 4Gの両方に対応する「Hybrid 4G LTE」を展開していたが、これがiPhoneにも導入された形になる。対応する通信形式が増えたことで、従来よりも快適な通信が実現できるようになったと考えられる。

また、ソフトバンクではスマートフォンユーザーから月間18億件(2014年5月現在)の通信ログを集めて電波の改善に活用している。また近年では、3キャリアの中で最も多い6.7万局もの高速回線(100Mbps以上)基地局を拡大しているという。こうした「つながりやすさ」への地道な取り組みが、今回の調査結果で良い結果を生んだ要因となったとも考えられるだろう。

今回の調査では、ソフトバンクがiPhone 6向けのネットワーク整備で一歩リードしている印象を抱いた。今後の、3社のネットワークをめぐる争いにも注目していきたい。

(執筆:大石はるか)

iPhone 6スピードテスト!! 3社のiPhoneを使い通信速度を比べてみた

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