東レ・ダウコーニングは9月18日、150mm(6インチ)サイズのSiCウェハの販売を開始したと発表した。

150mm SiCウェハは、同社がこれまで提供してきた100mm SiCウェハと同様、マイクロパイプ密度(MPD)や貫通らせん転位(TSD)、基底面転位(BPD)のような、デバイス性能に影響を与える致命的なキラー欠陥の規格を明確化した「プライム・スタンダード」「プライム・セレクト」「プライム・ウルトラ」の3つのグレードで提供される。

プライム・スタンダードでは、1cm-2のMPDを保証。これにより、定格電流が低めのショットキー・ダイオードや接合障壁ショットキー・ダイオードのような、比較的単純なSiCパワーエレクトロニクス・コンポーネントを設計する際に適しているという。

プライム・セレクトは、MPD(<1cm-2)、TSD(<300cm-2)と規格をより厳密にしたグレードで、ピンダイオードやスイッチのような、要件が厳しいSiCデバイスに適しているという。

そしてプライム・ウルトラは、最も高い結晶品質が求められるハイパワー・デバイスの設計を可能にするグレードで、MPD(<1cm-2)、TSD(<200cm-2)、 BPD(<3000cm-2)を実現しているほか、ウェハの抵抗分布も密になっているため、先進的なSiCパワーエレクトロニクス・デバイスの設計が可能になるとしている。また、同グレードでは基板の品質が優れているため、3.3kVを超える高圧や定格電流が大きいデバイスの設計でもそのメリットを発揮することが可能だとしている。