デロイトトーマツコンサルティングは9月17日、各国比較を通して日本のメディア利用状況を分析するために実施した「デジタルメディア利用実態グローバル調査」の結果を公表した。

調査は14歳以上の消費者に対しオンラインアンケートの形式で実施され、独立した調査会社により2014年2月から2014年4月にかけて集計されたもの。

これによると、全体傾向として日本のメディア利用に関する成熟度は発展途上にあり、今後の成長が期待されるという。成長が期待される理由としては、「他国と比較して、日本の消費者にはスマートフォンやタブレットといったスマートデバイスの利活用に対し保守的な傾向が見られるが、若年層を中心に今後活用が進むこと」「メディアコンテンツの利活用に向けて、コンテンツホルダー、 OTTプレイヤー、広告会社、通信会社や機器メーカーが協働し、革新的なデジタルメディア・コンテンツを創出すること」が挙げられている。

各国の世帯で所有しているデバイスについて 資料デロイトトーマツコンサルティング

デバイスに関する動向は、スマートフォン・タブレット・電子書籍リーダーなどの機能拡張性の高いスマートデバイスの普及が遅れており、独自に発展したフィーチャーフォンの所有率が高いと指摘されている。スマートフォン・タブレット・ラップトップをすべて所有し、目的や環境により使い分けを行う消費者層(Digital Omnivores:複数デバイス所有)の割合は、調査国8ヵ国中最も少なく、各国との乖離が大きいことがわかった。

映像コンテンツを視聴するデバイスについて 資料デロイトトーマツコンサルティング

また、日本では映像コンテンツをテレビで見る傾向が強く、映像コンテンツをオンラインで視聴する比率が低いほか、コンテンツ視聴の主流デバイスであるテレビもインターネット接続に対する消費者の期待値は低いという。さらに、料金の高さを理由に有料ストリーミング、映像配信サービスが普及しないことが明らかになった。

ニュース・雑誌・書籍に関する動向としては、ニュース取得方法としてテレビ、ポータル、新聞が9割を占め、雑誌・書籍を紙媒体で読む傾向が強い。ソーシャルメディアに投稿する割合は日本が最も少ないほか、SNSに一切投稿しない割合は50%以上と高い傾向にある。

購買決定に関する影響力順位について 資料デロイトトーマツコンサルティング

広告に関する動向については、いずれの国も「家族、友人、知人からの推薦」が1位、中国以外は「テレビ広告」が2位となっている。日本は、オンラインにおいて、仲間内からの推薦よりも製品・サービスユーザーなどのレビューの影響が強いことが特徴的である。