オーストリアのアナログICメーカーamsは9月17日、モバイル機器向けにコンフィギュレーション可能なパワーマネジメントIC(PMIC)「AS3715」を発表した。

同製品は、アクションカメラやナビゲーションデバイス、タブレット、メディアプレーヤ、ゲーム機など、リチウムイオン電池で駆動する携帯デバイスで必要な電源に対し、全て供給できるように、電源ブロックを内蔵している。また、スタートアップ設定をプログラムできる機能を搭載し、パワーシステムの動作を異なるアプリケーションプロセッサに合わせて、簡単に最適化することができる。さらに、スタートアップシーケンスおよび内蔵DC/DCコンバータ出力のプログラマビリティによって、開発におけるどの段階でも、基板を設計変更することなく最終製品の仕様に適合させることができる。

「AS3715」に内蔵している電源ブロックは、3個のプログラマブル出力に対応した4MHzのDC/DCステップダウン(バック)コンバータ、1個のDC/DCステップダウンコントローラ、2個のプログラマブル出力に対応したDC/DCステップアップ(ブースト)コンバータ、8個のLDOである。加えて、8個のGPIO、1.5A出力対応の充電回路、I2Cインタフェース、3個の電流シンク、A/Dコンバータ(ADC)、ウォッチドッグタイマも内蔵している。DC/DCコントローラは外部パワーステージを制御し、効率の最大化、PCB配線作業の簡素化を実現できるとともに、電力供給と放熱を基板全体に広く分散させることができる。さらに、単相または二重相のどちらの構成にも対応でき、要求に合わせたシステム効率の良い設定や、サイズ的な制約に適応させることが可能である。この他、最大8Aまでの出力電流を管理できる。

そして、8個中の2個のLDOは、RFモジュールや画像センサ、その他ノイズに敏感な回路に最適な低ノイズ仕様としている。また、3個の高耐圧電流シンクは、LCDバックライト向けで、0~40mAの間で150μA単位で調整できるプログラマブルな電流出力を可能としている。さらに、PWM入力オプションは、動的な輝度調光機能を容易に実装可能にする他、内蔵した5Vブーストコンバータは、HDMIインタフェースまたはその他の5V周辺回路に電源供給することができる。その他の設定オプションには、設計を電力効率、またはスペースやコストに最適化できるように、スイッチイングモードまたはリニア充電のどちらかの実装を可能としている。この他、安全機能としては、カスタマイズ可能なJEITA準拠の温度監視および電圧/電流制御回路を内蔵している。

なお、パッケージは3.7mm角のWL-CSP 91。現在サンプル出荷中。

コンフィギュレーション可能なモバイル機器向けPMIC「AS3715」の適用イメージ