ユビキタスとミラクル・リナックスは9月17日、自動車メーカーや機器メーカーを対象に、車載機器やIVI(In-Vehicle Infotainment)向けのソフトウェア販売から技術サポートまでワンストップで提供することを目的に業務提携したと発表した。

先端の情報技術の応用が活発になるに伴い、オープンソースで、さまざまなネットワークプロトコルへの対応や、2D/3Dなどの高度なグラフィックスをサポートするLinuxを車載機器やIVIで活用する動きが加速している。一方、自動車業界内でのLinuxエンジニアの不足やLinuxの品質担保と、自動車の開発サイクルと技術革新のスピードのギャップなどの観点から、商用レベルでの長期保証に耐えうるLinux、ミドルウェアの提供、メンテナンスやサポートが課題として顕在化してきているという。

このような背景を受け、両社は車載品質の組み込みLinuxとミドルウェアを組み合わせたソリューションを開発していく。具体的には、ミラクル・リナックスの組み込みシステム向けLinux OS-Embedded MIRACLEと、ユビキタスのQuickBoot、Miracast、DLNAなどの車載機器向けミドルウェアソリューションの統合、およびコンサルテーション、技術サポートを含んだワンストップソリューションを提供していく。また、これらのソリューションのAutomotive Grade Linux(AGL)への対応の他、車載機器向けの技術に関する連係および共同開発を推進する。さらに、販売およびマーケティングにおいて協力していくとしている。

今後は、車載LSIベンダーが提供する車載機器向け開発ボード用BSP(ボードサポートパッケージ)でのLSIベンダーとの連携や、通信モジュールなどキーコンポーネントを提供する部品ベンダーとの連携、さらにユーザーインタフェース、セキュリティ、その他車載機器向けアプリケーション開発に必要なミドルウェアベンダともパートナーシップを拡大し、広範な機能をカバーする車載向け商用ディストリビューションとして、製品採用率No.1のポジション獲得を目指すとコメントしている。