日本経済研究センターは16日、2014年7月の世界景気インデックス(景気指数)は前月比0.2ポイント悪化のマイナス3.0となったと発表した。米国、EU、アジア等で指数が悪化。指数で表す天気は3カ月連続の「雨」だった。

地域・国別に見ると、ロシアは2009年12月以来の「嵐」。小売売上高は前年比1.1%増となったものの、自動車販売は同22.9%減と7カ月連続で減少した。また、輸入は同4.2%減と7カ月連続のマイナスとなった。

2014年7月の天気図(出典:日本経済研究センターWebサイト)

日本は「雨」。消費増税後、指数が悪化し続けていたが、小売・輸入が改善したため下げ止まった。7月の小売業販売額は前年比0.5%増と4カ月ぶりに増加。自動車や家電等を含む機械器具は前年割れが続いているものの、マイナス幅は縮小しており、消費増税後の反動減の影響は和らいでいると分析している。

米国は「曇り」。シェアの大きい自動車・部品が前月比0.2%減と全体を押し下げ、小売売上高は前月比横ばいにとどまった。しかし、雇用環境の改善を背景に消費者マインドは3カ月連続で上昇しているため、消費の鈍化は一時的なものと考えられる。

EUは「曇り」。小売売上高は前月比0.4%減と7カ月ぶりのマイナス。中でも牽引役のドイツは同1.4%減と2012年1月以来の落ち込みを記録したほか、地政学リスクの高まりもあり、企業景況感も3カ月連続で低下した。

中国は「嵐」。輸入は前年比1.6%減と減少に転じた。不動産市場の冷え込みや内需の不振、原油などの商品価格の下落が反映された。