Wi-Fi Allianceは16日、無線LAN対応機器同士で直接通信を行う「Wi-Fi Direct」プログラムの機能拡張を発表した。

Wi-Fi Allianceは無線LANの普及促進を行う業界団体で、相互接続性試験方法の策定、製品の認証などを行っている。Wi-Fi Directは、アクセスポイントを介さずにWi-Fi機器同士で直接接続を行うことが可能な技術で、2010年に策定された。現在はパソコン、プリンタ、携帯電話、デジタルカメラ、携帯ゲーム機などで利用されている。

新たに拡張された機能は次の4つ。複数の端末間で簡単にコンテンツを送受信できる「Wi-Fi Direct Send 」、1つのコマンドでスマートフォン等から直接文書を印刷できる「Wi-Fi Direct Print」、ストリームコンテンツ接続前にDLNA対応デバイス同士がお互いを発見する「Wi-Fi Direct for DLNA」、スクリーン ミラーリングと表示がワンステップで行える「Miracast」。

同時に、開発基盤となる「Wi-Fi Direct Toolkit」が提供され、開発を容易にすると同時にユーザー側にも共通のアプローチを提供する。

同団体ではこれについて、シングルステップでデバイスを「発見、接続、実行」することが可能になると説明している。

通信関連分野を中心とする調査会社ABI Researchのリサーチ ディレクター、フィリップ・ソリス氏はこれについて「使いやすいP2P接続と、開発者向けの共通アプローチは、モバイル、スマートホーム、家電の領域におけるWi-Fi を活用したイノベーションをさらに促進していく上で重要な機能です」と述べている。