奇抜なパフォーマンスで話題を集め続けるヤクルト「つば九郎」や中日「ドアラ」、ネットを中心に人気のオリックス「バファローベル」など、近年、選手以上に注目を浴びるのがプロ野球の球団マスコットだ。そこで12球団のマスコットトリビアを集めてみた。

楽天設立とともにクラッチも生まれ、今年で誕生10周年を迎えた

パ・リーグのマスコットたち

埼玉西武ライオンズのマスコットは「レオ」。モチーフはライオン、というよりも手塚治虫の代表作『ジャングル大帝』の主人公。背番号はない。移動手段は車や自慢の脚力ではなく、あくまでも電車。

千葉ロッテマリーンズのマスコットは「マーくん」。ここ数年、田中将大(ヤンキース)の影に隠れがちだが、球界のマーくん、といえばもともとは彼のこと。モチーフはカモメ。背番号はなく、代わりに「MAR-KUN」の名が印字されている。

マスコット界のマーくんもアイドルが好きで、よくDVDを見ているらしい

福岡ソフトバンクホークスのマスコットは「ハリーホーク」。モチーフはもちろんタカで背番号は「100」。ハリーホークは他球団のマスコットとは違い、あくまでも"野球選手"という設定。ホークユニバーシティを卒業後、ホークスに入団。エースで4番を務めるという、大谷翔平(日本ハム)に先駆けて「二刀流」で活躍する(という設定の)スーパースターだ。

オリックス・バファローズのマスコットは「バファローブル」。モチーフはバファローとレイヨウ類の一種オリックスを掛けあわせた架空の生き物。背番号は「111」。残念ながら、人気は妹の"ベルたそ"こと「バファローベル」に奪われがち。

北海道日本ハムファイターズのマスコットは「B・B」。モチーフは熊。背番号「212」は、北海道に移転した2004年当時の市町村数を表している。ちなみに「B・B」は略称で、フルネームの「ブリスキー・ザ・ベアー」まで知っていたら、かなりのファイターズ通だ。マスコット史上初のディナーショーを開催したことでも有名。また、モヒカンの色はいつも違う。

セ・リーグのマスコットたち

読売ジャイアンツのマスコットといえば……「ジャビット」と思いがちだが、それはあくまでもファミリーネーム。いわゆる「ジャビット」(ミスタージャビット、ジャビット君)と呼ばれるのは長男の「ジャビィ」(背番号333)と次男の「ジャバ」(背番号555)のこと。彼らの他にも弟や妹がおり、さらには今年、球団創立80周年を記念して「おじいちゃんジャビット」が新加入した。モチーフはうさぎ(ラビット)から。

阪神タイガースのマスコットは"虎"とラッキー7の"ラッキー"をかけた「トラッキー」。デビューした1985年に阪神タイガースが21年ぶりに優勝したことでラッキーボーイ的にファンの認知を高めた。背番号はこの栄光の年にちなみ「1985」。

広島東洋カープのマスコットは英語のSlyly(いたずら好き)からとった「スラィリー」。12球団マスコットで唯一、動物をモチーフとしない架空の生き物。背番号は「!」。有名な「カープ坊や」はマスコットではなく"ペットマーク"だということも押さえておきたい。

鼻から出すピロピロ笛も特徴の1つだ。また、他球団の多くのマスコットはちゃんと上下のユニフォームを着ているがスラィリーは上しか着ていない

中日ドラゴンズのマスコットは「ドアラ」でモチーフはコアラ。背番号はマスコットに就任した「1994」、ということで今年が20周年だ。ちなみに中日のメインマスコットはナゴヤドーム元年の1997年に採用された「シャオロン」なのだが、知名度・存在感ともにドアラがお株を奪っている。昨季オフに初の契約交渉を行い、25%ダウンの食パン750グラムで契約更改した。

横浜DeNAベイスターズのマスコットは「DB.スターマン」。モチーフはハムスター(浜+スター)。背番号は「☆(1スター)」。身長はボール5個分と、ハローキティ(りんご5個分)路線を目指している。ちなみに体重はボール10個分。

トリを飾るのは東京ヤクルトスワローズのマスコット「つば九郎」。モチーフはもちろんツバメで背番号は「2896」。現在、プロ野球マスコット界で人気を二分するドアラとはデビュー年(1994)が一緒という因縁の間柄。

12球団マスコットで唯一、ユニフォームを着用しないつば九郎はスラィリー以上の露出狂である。そして、自らの胸に「Swallows」と刻み、球団への忠誠心はマスコット界一なのかもしれない

今年はつば九郎とドアラが20周年ということで、ともに記念本を出版したりイベントを行ったりと、彼らの存在とキャラクターが球団の重要なコンテンツになっている。球団ビジネスの一翼を担っている、といっても大げさではなく、その役割は今後ますます大きくなっていくに違いない。 (参考文献『スポーツ・マスコット図鑑』)

週刊野球太郎

スマホマガジン『週刊野球太郎』の9月特集はプロ野球2014【終盤戦】観戦ガイド! 毎週のCS&個人タイトル争奪戦の動向はもちろん、優勝争いの行方を左右する「ベテラン選手の味のある特徴」や「外国人選手の仕事ぶり」を紹介。目玉企画は赤星憲広(元阪神)インタビュー。また、甲子園だけでなく、地方大会も振り返る雑誌『野球太郎No.011~2014高校野球夏の思い出号』が9月12日に発売となります。