厚生労働省は9月12日、国内で感染者が増えているデング熱への対応マニュアルを改訂し、全国の自治体へ通知した。

代々木公園では9月9~10日に蚊の調査を行ったところ、マップ上にある地点番号の「6」「13」「18」「19」において、デングウイルスを保有している蚊が見つかった(東京都福祉保健局提供)

デングウイルスを保有している蚊を媒介として感染するデング熱は、発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などの症状を伴う。

同省によると、国内では9月12日11時の時点で113人の患者が確認されている。大半の患者は東京都・代々木公園で感染したと考えられているが、そのほかにも東京都・新宿中央公園や千葉県千葉市などでも感染した可能性がある患者がいるとのこと。

東京都は現在、デング熱の患者が感染したと考えられている公園などで蚊の調査や駆除などを行っている。だが、9月11日に一部地区が閉鎖されている代々木公園内において、新たに4カ所からデングウイルスを保有した蚊が見つかったと発表されるなど、騒動の収束がなかなか見えない状況となっている。

そんな中、厚生労働省は9月12日付で「デング熱国内感染事例発生時の対応・対策の手引き 」と題したマニュアルを全国の自治体に通知。デング熱の症状や主な媒介となるヒトスジシマカの生態、蚊の調査や駆除に適した範囲などが記されている。蚊の調査・駆除範囲は、前回のマニュアルでは感染場所を中心とした半径50mだったが、今回は100mにまで拡大されているなど、一部に改定が見られる。

これまでに、代々木公園での感染の原因となったのはヒトスジシマカであることが明らかになっているが、改訂版マニュアルによると、雌のヒトスジシマカは「外気温にもよるが雌成虫の寿命は30~40日」とある。また、厚生労働省によるとヒトスジシマカは卵で越冬するが、その卵を通じてデングウイルスが次世代へと受け継がれたという例は国内外で確認されていないとのこと。

成虫の活動時期は「主に5月中旬~10月下旬」(南西諸島はさらに長いとみられる)とあるため、10月下旬まではデング熱に注意を払った方がよさそうだ。

なお、改訂版のマニュアルは厚生労働省のホームページにて確認できる。