本田技研工業は9月11日、ロシアで開催された航空科学/工学の発展を促す国際的な団体「ICAS」の会議で、HondaJetの開発責任者でホンダ エアクラフト カンパニー社長でもある藤野道格氏が「航空工学革新賞(Award for Innovation in Aeronautics)」を受賞したことを発表した。

ICAS会議での授賞式の様子(中央が藤野道格氏)

航空業界において新たな設計コンセプトを実現

今回の受賞では、独創の主翼上面エンジン配置形態などの革新的な技術の採用により、クラス最高水準の巡航速度、燃費、客室・荷室の広さを実現したHondaJetの研究・開発に貢献し、航空業界における新たな設計コンセプトを実現したことが評価された。

ロシアのサンクトペテルブルグで開催された第29回ICAS会議では、現地時間9月9日に藤野氏による記念講演が行われ、授賞式では「Hondaは、ビジネス航空業界における新たなスタンダードとなるべく最先端の航空機を設計することを目指してきました。このように名誉ある賞をいただいたこと、そして世界的権威のある国際航空科学会議から、Hondaの高い研究・開発力を評価されたことを、大変光栄に思います」とコメントした。

初公開されたHondaJet量産1号機

なお、今回の「航空工学革新賞(Award for Innovation in Aeronautics)」は2006年に設立され、革新技術や斬新な設計・製造プロセスを通じて、航空科学/工学分野に世界的に大きな影響を与え、貢献した個人や団体に、2年に一度贈られる賞。

また、藤野氏は米国の学術団体「SAEインターナショナル」が主催する「ケリー・ジョンソン賞」も受賞している。同賞では、「HondaJetの独創的な主翼上面エンジン配置形態など先進技術の研究・開発を通じて、航空宇宙工学における学門的知見の発展に貢献した」と評価され、日本人で初めての受賞となった。

現在、HondaJetは2015年1~3月に予定されるFAAの型式証明が取れ次第、デリバリー開始を目指している。

HondaJet量産1号機の初飛行の様子