島津製作所は9月11日、同社のクオリティーセンターにかねてから建設していた電波暗室が、EMCセンターとして、試験所の能力を認定する国際規格「ISO/IEC17025(試験及び校正を行う試験所の能力に関する一般要求事項)」を取得したと発表した。

電気・電子機器や無線機など電磁波を発生する機械類には、自らが発生する電磁波が周辺の機器に影響を及ぼさず、かつ周辺から電磁波を受けても誤作動や停止を起こさない耐性を有すること、つまり電磁両立性(EMC)が求められている。近年、これに対する規制が世界的に強化されており、EMCの重要性がますます増加している。

同社は、2013年12月に竣工したクオリティセンターに自社製品についてのEMC認証試験を行うための10m法大型電波暗室を設けており、日本適合性認定協会(JAB)より「ISO/IEC17025」を取得した。これにより、世界72の地域と国で有効となるEMC認証試験報告書を自社内で発行できることになる。

また、正確な測定を担保するため、EMC認証試験に従事するスタッフ全員が、EMCの技術、スキルを認定するグローバルなEMC技術者認定資格である「iNARTE」を取得したという。

同社は「これまで外部施設を利用していたEMC試験が自社内で柔軟に行えることや、初期段階からEMC対策の検討が行い易くなったことにより、開発期間の短縮につなげていく」とコメントしている。

10m法大型電波暗室