岡山大学は8月26日、日中の特定の無意識かみしめが歯の喪失と歯並びの崩壊に関わっていることを突き止めたと発表した。

同研究成果は同大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)咬合・有床義歯補綴学分野の川上滋央 助教、同 皆木省吾 教授らの研究グループによるもので、米科学雑誌「PLoS One」に掲載された。

これまでは睡眠中に歯ぎしりをしている人は歯のすり減りが強いと信じられていた。しかし、同研究によって歯を喪失し、さらに入れ歯に不具合のある人は、睡眠中よりも昼間の無意識のかみしめが非常に多く認められることが判明。さらに、その中でも1~2Hzの周囲的収縮(中程度の力で「グッグッグッ」と周期的に力をいれているもの)が、歯の喪失と崩壊に深く関連づけられることが示されたという。

歯の喪失が進行し、さらに義歯の不具合を生じているすれ違い咬合群では、年齢適合対照群や若年対照群と比較すると1時間あたりのかみしめ発生回数が多いことがわかる

この結果について同研究グループは「むし歯や歯周病以外に歯の喪失原因を認めたことは、これからの予防歯科学に大きな影響を及ぼすと考えられる」とコメントしている。