日立ハイテクノロジーズと慶應義塾大学は9月9日、バンダイが販売するブロック玩具「BlockLabo(ブロックラボ)」シリーズの「おおきなパン工場とすてきなおうちブロックバケツ」の開発に協力したと発表した。

BlockLaboシリーズは、脳科学の知見に基づいたブロック玩具として2011年4月に発売を開始。子どもの成長に合わせた玩具開発を目指すバンダイと、脳科学の知見をモノづくりに活用する取り組みを進める日立ハイテクおよび日立との協働により実現した。

今回バンダイが発売する「BlockLabo」シリーズの新商品は、日立ハイテクノロジーズ、日立、慶應義塾大学が実施、検証した「心の理論(他人の気持ちが分かる心)」研究の知見を活用している。

具体的には、4歳児43人を対象に、心の理論に基づく「『どこかな?』ごっこ遊び」を段階的に実施。遊びの前後で子どもの「心の理論」のスコア(理解度)が上がっていたことから、模様があるブロックや人形を使ったこの遊びの要素を新商品に盛り込んだ。

『どこかな?』ごっこ遊び」は、主人公が持っている対象物を、主人公がいない間に別の登場人物が移動させてしまい、戻ってきた主人公がどこを探すのかを推定する遊び。まず子どもに対して、人形を実際に動かしながら、登場人物や対象物の一連の出来事を説明。その後、「戻ってきた主人公がどこを探すのか」について子どもに質問し、「子どもが主人公の人形の立場になって回答できるか」を実験者が確認し、間違った回答のときは、順序立ててその理由を説明して子どもの理解を促すことを繰り返し行った。

調査中は、子どもの理解促進のために、主人公の人形が考えている内容を吹き出しとして貼り付けて絵で表示。また「『どこかな?』ごっこ遊び」はブロックや人形に模様がある場合と模様がない場合とを比較した。

「『どこかな?』ごっこ遊び」の前後には「心の理論」のスコアの調査を行い、子どもが他人の気持ちになって回答できるかを別の玩具を用いて検証した。検証は、慶應義塾大学「赤ちゃんラボ」と日立ハイテクおよび日立が共同で行い、調査にはベネッセスタイルケアおよび日立グループ託児施設「ゲン木くらぶ」の協力を得て行ったという。

日立では、脳科学をモノづくりに活用する取り組みとして、第三者の専門家が参画するBrain Science審査会を運営し、検証結果およびその表現の適正を審査。その審査結果に基づいてBrain Scienceマークの付与を行っている。今回の「おおきなパン工場とすてきなおうちブロックバケツ」にもBrain Scienceマークを付与している。