優勝こそ逃したが、錦織圭選手の快進撃は多くのテニスファンの胸を打ったようだ

テニスの全米オープン男子シングルスに出場している錦織圭選手は9月9日、マリン・チリッチ選手(クロアチア)との決勝戦に0-3で敗れ、惜しくも準優勝に終わった。日本人初となる4大大会シングルス制覇はならなかったが、ツイッター上にはその健闘をたたえる声や祝福の声が多数あふれている。

アジア人として初めてとなる「グランドスラムシングルス優勝」という偉大なる金字塔を打ち立てることはかなわなかった。大会期間中、快進撃を続けてきた錦織選だったが、同じくグランドスラム初の決勝を戦うチリッチ選手の前に完敗した。

第1セット。高速サーブを武器に押してくるチリッチ選手に対し、錦織選手は持ち前のストロークを存分に生かすことができない。時速200キロを超えるサーブから、早い展開でポイントを奪っていくチリッチ選手。深いストロークを幾度となく放ち、錦織選手をベースライン付近にくぎ付けにし、前へ攻めさせることを許さなかった。

ファーストサーブに苦しみ、ストロークのミスも目立つなどの「らしさ」が見られない中、錦織選手は第6ゲームをブレークされ、第1セットを3-6で落としてしまう。

続く第2セット。錦織選手はラリーの応酬からドロップ気味にネット際へ落としたり、ダウン・ザ・ラインを決めたりと、所々で多彩な技を駆使してポイントを奪う。だが、チリッチ選手はサービスゲームで4連続サービスエースを決めるなど、サーブが絶好調。波に乗る相手を前に、またしても先にブレイクを許し、錦織選手はこのセットも3-6で落とす。そして最終第3セットもそのまま押し切られ、3-6でゲームセット。悲願の全米オープン初優勝はならなかった。

それでも、ツイッター上には

「錦織圭残念! だけど、世界で2位は同じ日本人として誇りです! 日本にとって重かった扉をこじ開けた功績は大きすぎる位大きい。 彼にはまだ十分チャンスがある。次はチリッチを倒して世界一だ! 感動をありがとうございました! 」

「ジョコビッチに勝った錦織とフェデラーに勝ったチリッチとの決勝だもん。どっちが勝ってもおかしくなかったんやで。あとは勢いの差だったんや」

「チリッチ強かったたんだね。錦織選手、また進化すればいい。彼は絶対進化していくと信じてる。おめでとう準優勝! 」

など、錦織選手を祝福する声が多数見られた。また、「3-0とはいえ、可能性を十分に感じさせる試合だった。実力が僅差であるからこそ結果が一方的になることはある。コンディションについてはチリッチの方が良かった。次に期待」などのように、その健闘をたたえて今後に期待する意見も多かった(すべて原文)。

準決勝のノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)を含め、3人の世界ランクトップ10に勝利してつかんだファイナルへの切符。そして、決勝戦でも何度も巻き上がった「圭コール」。「グランドスラム優勝」というタイトルこそ逃したが、これまで以上に「Kei Nishikori」の名を世界にとどろかせた24歳に、多くのテニスファンは感動をもらったようだ。

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