アルゼンチンのパタゴニアで、地上の生物のなかで史上最大級となる新種の恐竜の化石が発見された。米・ドレクセル大学らの研究グループが9月4日付け(現地時間)の英科学誌「Scientific Report」で発表した。

今回発見された化石は、約1億~6600万年前(白亜紀後期)に南半球で大量に生息していたと考えられているティタノサウルス類の竜脚類恐竜のもの。体重は約60t、体長は約26mあったと推定され、その巨大さから「恐れ知らず」を意味する「ドレッドノートゥス・シュラニ」と命名された。死亡した時点でまだ成長中であったという。

ティタノサウルス類は地球上に存在した最も大きな動物のひとつと考えられているが、今まで不完全な化石しか発見されてこなかったことから、その生態について詳しいことがわかっていなかった。今回発見された化石は完全な骨格の約45.3%が保存されており、すべての主要な骨格領域が残っていたとのこと。

同研究グループは「今回発見された個体は川が氾濫したことによって地面が流砂のようになり、短時間で地中深く埋まったので保存状態が良かったのでは」と推測しており、ティタノサウルス類恐竜の解剖学的構造と進化史についての新たな手掛かりとなると考えている。

「ドレッドノートゥス・シュラニ」のイメージ図 (C)Jennifer Hall