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コンサルティングサービスを展開するタワーズワトソンは、2015年アジア太平洋地域の昇給率調査の結果について発表した。

2015年のアジア太平洋地域の経済成長率は4.8%

同調査は、アジア太平洋地域の企業における2015年度予算の策定時期に合わせて行うもので、幅広い産業と、工場などの現場労働者から役員レベルまで様々な階層を対象にしている。

2015年の同地域の経済成長率は4.8%と、2014年の4.7%から上昇し(※1)、失業率は4.7%から4.5%に低下することが予想されている(※2)。地域全体のインフレ率は2014年の3.9%に対し、2015年は4.3%への上昇が見込まれている。

同調査によると、東アジアの2015年インフレ調整後昇給率を中国(5.2%)、ベトナム(4.1%)がけん引する一方で、日本(0.6%)の昇給率は最も低い見通しであるという。

地域全体では、工場などの現場労働者から上級管理職にいたるすべての従業員レベルにおいて、2014年並かそれ以上の昇給率となっているが、台湾のみ2.8%から1.7%と低下の予想を示している。しかし、インフレ調整後の実質的な昇給率は、本調査の対象であるアジア太平洋地域20カ国・地域のうち、12カ国で低下が予想される。

製薬、金融サービス・ハイテク業界の昇給率が目立つ

昇給率が高い業界として、製薬業界と金融サービス、ハイテク業界が挙げられる。製薬業界の昇給率は地域で最も高く、平均で6.7%上昇する見込み。同業界ではベトナム(12%)、インド(11.5%)および中国(8.9%)の昇給率が最も高いと見られる。

地域の2大金融センターである香港とシンガポールでは、2014年よりも昇給率が高くなる見込み。香港は2014年の4.5%に対し2015年は5.0%、シンガポールは同4.2%から同4.5%に上昇すると予想している。中国本土の金融セクターでは、7.9%から8.5%に上昇するという。アジア太平洋地域のハイテク業界の平均昇給率は6.6%で、2014年の6.3%から上昇すると予想されている。

※1 エコノミスト・インテリジェンス・ユニット:オーストラリア、ブルネイ、バングラデシュ、カンボジア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ミャンマー、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、シンガポール、韓国、スリランカ、台湾、タイおよびベトナムの成長率平均

※2 同上だが、ブルネイとカンボジアを除く