東芝は9月4日、量子暗号鍵配信装置を使った暗号鍵の配信実験を行い、世界最大となる1日あたりの鍵配信量を達成したと発表した。今回、東京の大手町-小金井間を結ぶ全長45kmの既設光ファイバーを用いて、1日あたりの平均鍵配信量25.8ギガビット(総鍵配信量878ギガビット)で34日間の安定した稼働を確認した。

量子暗号鍵配信技術は、光子の量子力学的な性質によって安全性が保障された暗号通信技術で、盗聴を検出できることが特徴。東芝は、量子暗号鍵配信装置を開発し、長期の安定運用を目指して既設の光ファイバーを使用した実証実験を続けてきた。

極めて弱い光である光子を長距離の光ファイバーを通して受信、検出するためには、ノイズの影響を可能な限り低減して、送信装置と受信装置の処理を精度よく同期させることが課題だった。

今回の実験では、温度や太陽光などの外部環境によって生じる通信の変動を自動的に補正する自動安定化機構を受信装置に採用。装置の基板を一体化することでノイズを低減し、光子の検出率の低下を抑えた。

配信実験では、NICTの実験用光ファイバーであるJGN-Xを利用し、東京の大手町-小金井間を結ぶ全長45km(損失14.5dB)で34日間の安定稼働を実現。

平均鍵配信量は、1日あたり25.8ギガビット(総鍵配信量は878ギガビット)、平均通信速度は300Kbpsで、世界最大の1日あたりの暗号鍵配信量を達成した。

なお、同研究の一部は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究「セキュアフォトニックネットワーク技術の研究開発」により得られたものとなる。