警察庁は4日、2014年上半期のインターネットバンキングに係る不正送金被害の発生状況を発表した。それによると、上半期の被害額は約18億5,200万円となり、過去最悪だった2013年1年間の約14億600万円を上回った。

2014年上半期の発生状況(出典:警察庁Webサイト)

被害件数は1,254件で、前年同時期の217件から1,037件増加。被害を受けた金融機関は全国73機関で、前年下半期の29機関から44機関拡大した。内訳は、地方銀行が48機関(前年下半期19機関)、都市銀行・その他が14機関(同10機関)、信用金庫・信用組合が11機関(同ゼロ)と、地方銀行と信用金庫・信用組合の被害増加が目立った。

口座種類別に見ると、預金額が大きい法人口座の被害額は前年同時期の約25倍となる約5億7,200万円に急増。内訳は、都市銀行などが約1億6,200万円、地方銀行などが約4億1,000万円だった。個人口座の被害額は約12億8,000万円で、内訳は、都市銀行などが約11億7,100万円、地方銀行などが約1億900万円だった。

上:被害金融機関数の推移、左下:口座種別の被害額、右下:被害内訳(出典:警察庁Webサイト)

不正送金事件で検挙されたのは133人で、このうち62.4%に当たる83人が中国人容疑者であることが判明。送金先の口座(2,807件)についても、中国人名義が全体の69.5%となる1,951件を占めた。

不正送金の手口については、コンピュータ・ウイルスの悪質・巧妙化が目立った。