慶應義塾大学(慶応大)は9月1日、複数のユーザーが同時に裸眼で3D映像を観察し、触れることのできる3Dディスプレイ「HaptoMIRAGE」を開発したと発表した。

同成果は同大学大学院メディアデザイン研究科の舘ススム(日へんに章) 特別招聘教授、南澤孝太 准教授らの研究グループによるもので、9月2日~4日にゲーム開発者カンファレンス「CEDEC2014」で展示公開される。

「HaptoMIRAGE」はユーザーの視点位置をモーションキャプチャによって計測し、頭の位置に対応した視差映像を空間中に表示するというもの。この際、左目用の映像を左目に、右目用の映像を右目にのみ入るようにすることによって、ユーザーに立体映像として認識させるという。

「HaptoMIRAGE」の外観

この技術によって、従来の従来の3Dディスプレイの課題であった、立体画像に直接手で触れたり、ペンで空間中に3次元的なスケッチを描いたりといったことが可能となった。また、複数のユーザーに向けて同時にそれぞれの立ち位置に適切な映像を投影することができ、なおかつ裸眼で観察できるため、複数人で3D画像を簡単に共有可能。

ペンで空間中に絵を描くことができる

実体物と融合した3D映像の利用が実現

今後は、別途開発している触覚提示技術と組み合わせることにより3D映像にリアルな触感を持たせ、視覚・触覚・身体運動を融合した「さわれる情報環境」を目指していくという。