多摩動物公園(東京都日野市)は、佐渡トキ保護センターからトキを預かり飼育を行っている(非公開)。このほど、2014年にふ化した7羽が無事に育っていることを発表した。

多摩動物公園のトキ

4月~5月にふ化

同園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するためにトキを預かっている。単独の施設で飼育すると、感染症の発生にともない全滅の恐れがあるためだ。トキも、鳥インフルエンザ等の感染症対策として複数の施設に分散して飼育を行っている。

都立動物園は40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績がある。同園は、保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがあることから、2007年12月からトキを飼育し、繁殖に成功している。

現在、同園では4組のペア(すべて佐渡トキ保護センター生まれ)を飼育している。そのうち2組による卵は、4月~5月にかけてふ化し、7羽の赤ちゃんが誕生した。なお、残る1組の卵は無精卵、1組の卵は発育が止まるなどでふ化には至らなかったという。ふ化したトキは、ペアによる自然育すうのほか、人工育すうもあわせて行い、順調に成長している。

2014年に各地の施設で誕生したトキは、同園でふ化した7羽を含め54羽。なお、同園では、環境省の指示によりトキは非公開で飼育している。