LINEは、ユーザーが制作したスタンプを販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」において、実際にスタンプを販売している日本国内のクリエイター893名を対象として、プロフィールや制作・販売状況などに関するアンケートを実施。その調査結果を公開した。

クリエイターの業務経験(左)とデザインの勉強経験(右)は、どちらも約半数が「経験なし」と回答

このたび公開された調査結果は、8月13日~18日にかけて同社がインターネット上で行った「第1回 LINE Creators Market スタンプクリエイター実態調査」を集計したものだ。この調査結果によると、スタンプクリエイターの性別は女性55.8%、男性44.2%と女性がやや多め。平均年齢は32.7歳で、そのうち25~34歳が48.5%(25~29歳 25.3%、30~34歳 23.2%)と約半数近くを占め、中心層となっている。クリエイターの職業で最も多かったのが「会社員」の31.5%。次いで、「自営業・フリー」(29.3%)、「パート・アルバイト」(11.6%)、「専業主婦・主夫」(10.3%)、「学生」(5.2%)、「無職」(4%)と、実にさまざまな職業の人がスタンプクリエイターとして活動していることが判明した。居住地については、「東京都」が22.1%とダントツ。次いで「大阪府」(8.6%)、「神奈川県」(8.5%)、「埼玉県」(5.2%)、「愛知県」(5.2%)と、やはり人口の多い都道府県が上位を占めた。

「クリエイターとしての業務経験の有無」ついては、現在クリエイティブ・アート系の仕事に就いているという人が39.9%、過去に経験がある人は13.8%である一方、そうした仕事の経験がない人が46.4%にのぼることがわかった。また、「デザインの勉強をしたことは?」という質問には、半数以上となる50.6%が「経験なし」と回答。次に、「スタンプを制作した動機」についての質問には、1位が「自分のオリジナルのスタンプを作りたい」、2位が「イラストを描くのが好き」、次いで「収益・お小遣いを得るため」、「自分のスタンプが受け入れられるか試したい」、「自分が作ったキャラクターや作品を世に広めたい」、「簡単に登録・販売できる」、「過去の経験やスキルが活かせる」、「周囲の人に勧められた」と続いた。

スタンプ制作ツールは「イラスト・ペイント用ソフト」が大多数を占め(左)、スタンプで苦労した点は「スタンプのアイデア出し」という意見が多かった(右)

続いて、「スタンプの制作ツール」についての問いには、「イラスト・ペイント用ソフト」が圧倒的多数(71.8%)を占めたが、「手描き」という回答も11.8%と意外に多かった。4%が「スマホ・タブレット端末用お絵かきソフト・アプリ」と回答したほか、少数派ながら「ワープロソフト」や「表計算ソフト」「プレゼンテーションソフト」との答えもあった。また、40個で1セットのスタンプの制作に要した日数の平均は16.3日。最も多かったのが「4日~7日」(25.4%)で、次いで「22~30日」(18.0%)、「8日~14日」(17.7%)と続き、「3日以内」という回答が16.7%もあった。そして「スタンプ制作で苦労した点」として、「スタンプのアイデア出し」、「イラストを描くこと」、「商品説明文の検討」という回答が多かった。

そのほか、制作したスタンプがどんなカテゴリーかを尋ねたところ、ほかを大きく引き離してトップ3となったのが、「架空の人物」(49.5%)、「実在の動物」(47.1%)、「架空の動物」(41.7%)。続いて「特定の会話のシチュエーション(方言、台詞 etc)」、「お化け・モンスター」、「実在する人物」、「食べ物」などが挙げられた。また、現在販売しているスタンプのセット数(累計)では、「1セット」との回答が最も多く63.4%。一方で、「2~4セット」が29.3%、「5~9セット」が4.6%、「10セット以上」が1.3%と、2セット以上販売しているクリエイターが全体の35.3%にものぼった。最後に、クリエイターが自身の描画力について10点満点で自己採点した平均点は6.1点。具体的には「7点」が最も多く、以下「5点」、「6点」、「8点」と続いた。

今回の調査結果に対し、LINE スタンプ企画チーム マネージャー 渡辺尚誠氏は、「「クリエイターは女性が多い」というデータより、LINEのスタンプは男性よりも女性のほうがアクティブに使用しているという以前からの調査を裏付ける結果となったと共に、需要と供給のバランスが取れているとも言えます。また、クリエイターの職業の「主婦や、パート、会社員の方が全体の70%」という結果は、もともとクリエイターズマーケットを始めるに当たり「隠れたクリエイターに光を当てる」「副業の場として個人の創作活動を支援する」という目的を掲げていたので、それが実現できていること、ユーザーの喜びとなっているということがとても嬉しく思います。今後も、一部の著名人や有名クリエイターだけでなく、多くのユーザーに光が当たり、売上の面でも支援できる活動をLINEとして継続していきたいと思います」とコメントしている。