Texas Instruments(TI)は8月28日、急速に成長するPoEアプリケーションの設計を簡素化する、2層基板によるPoE電力給電装置(PSE)評価モジュールと、PoEコントローラ「TPS23861」をベースにしたリファレンスデザイン「TI Designs」を発表した。

今回発表されたPoE PSEコントローラの特徴として、評価モジュール「TPS23861」は、2層プリント基板上に2個のコントローラと関連回路を搭載しており、複数の基板を使用する際に発生する原材料コストと組み立てコストを削減する。また、プラグアンドプレイ方式で自動モード動作も可能で、ホストによる制御が不要であり、簡単に操作できる。さらに、熱設計の自由度が向上しており、いかなる動作条件下でも400mW未満の消費電力を提供する他、外付けFETアーキテクチャにより、サイズ、コスト、効率の要件に最適なFETの選択が可能となっている。この他、「TI Designs」のマザーボードは、オプションのLaunchPad「MSP-EXP430G2」とUSB-to-GPIOインタフェースアダプタとのインタフェースが可能で、カスタム電源管理回路のプログラミングと設定が行える。これらにより、PoEコントローラとリファレンスデザインは、PoE対応のネットワークビデオレコーダ、IP電話用スイッチ、ワイヤレス基地局などの製品開発期間とコストを大幅に低減することができる。

なお、「TPS23861」は、28ピンTSSOPパッケージで供給され、価格は1000個受注時で4.10ドル。評価モジュール「TPS23861EVM-612」は299ドルで供給され、PI Commander GUIがダウンロード可能となっている。また、テスト済みのPoEリファレンスデザイン「TIDA-00290」もダウンロードできる。

TIのPoEコントローラ「TPS23861」をベースにしたリファレンスデザイン「TI Designs」のイメージ