風船写真家の岩谷圭介氏は8月28日、シネマカメラを宇宙圏(2万8450m)まで打ち上げ、宇宙と地球の鮮明な映像の撮影に成功し、その映像をインターネット上で公開すると発表した。

公開された映像の一部 (C) Keisuke Iwaya

岩谷氏は100円ショップやホームセンターなどで揃えられる、身近な素材で制作した機体にカメラを搭載し、それを風船で打ち上げて宇宙撮影を行っており、民間における打ち上げ回数日本一(個人打ち上げで30回以上)、民間における打ち上げ高度世界最高記録保持(4万8000m)などの記録を有しているという(2014年8月28日現在)。

このたび公開される映像は同氏が北海道の十勝平野にて、7月20日にシネマカメラでの撮影に成功した時のもの。従来はGo Pro製などのアクションカメラを搭載した機体を風船で打ち上げることによって宇宙を撮影していたが、今回はシネマカメラで撮影したため、より鮮明な宇宙と地球の映像の撮影が可能となった。

風船での打ち上げの様子 (C) Keisuke Iwaya

回収した機体を手にする岩谷氏 (C) Keisuke Iwaya

また、シネマカメラを採用するにあたり、機体とパラシュートをすべて新しく設計したことによって、よりブレに強く安定した撮影が可能になった一方、材料については従来どおり身近なものが使用されたという。

今後について同氏は、「さらに美しい宇宙映像撮影の為に新型機を開発し、打ち上げ、撮影を継続していきたい。また、撮影した映像をもとに、プラネタリウムを使ったバーチャルリアリティの作成や、16Kの高解像度映像の撮影を計画しており、もっと宇宙を身近に感じられるようなコンテンツ制作も開始していく」とコメント。さらに、宇宙撮影で培った技術を転用した深海の撮影も考えているという。

世界初、シネマカメラでの宇宙撮影に成功 BMPCC GOES TO SPACE FUSEN UCYU PROJECT