NECは8月27日、SDNへの移行をスムーズに行うため、SDN Readyのネットワーク製品をリリースしたほか、従来のネットワークSEに加え、新たに100人のSDN対応SEを専任者として育成するとともに、営業職向けのSDN教育を拡大し、現在の800名から2015年に販売パートナーを含めて2,000名の営業体制へ強化を図ると発表した。

NEC 執行役員 福田公彦氏

執行役員 福田公彦氏は、国内のSDN市場について「NECにとって、ビッグデータ、クラウドに加え、これらをつなぐSDN事業は重要だ。2017年にはネットワークの3割がSDN化されるとNECはみており、4.7兆円まで成長する。SDNにおいては、グローバルスタンダードが重要で、我々の技術で標準化していきたいと考えている。NECはSDNにおいて、すでに200システム以上の導入実績があり、これらのシステムでは、運用コスト削減、設備コスト削減、事業拡大において、我々が思っている以上の効果が出ている」と今後の市場拡大に期待を寄せた。

NECが予測するSDN市場の伸び

NEC ソリューションプラットフォーム統括本部 本部長代理 北風二郎氏

また、NEC ソリューションプラットフォーム統括本部 本部長代理 北風二郎氏も、「SDNはトライアル期から実用期に入った。ただ、お客様はどういうタイミングで、どうやって変えていくのか、どこからやっていけばよいのかという懸念がある。そこで、SDN Ready製品、オーバレイ方式に対応した製品を提供することによって、お客様のSDN化をお手伝いしていきたい」 と語った。

SDN Ready製品とは、従来技術のネットワーク機器として使用しながら、将来SDN化が必要になった時点でSDN機能を有効にし、SDNコントローラーを追加することで、SDN対応のネットワーク環境が構築可能な製品。

SDN Ready製品とは

一方、オーバレイ方式は、従来技術のネットワーク環境をトンネル転送することで、仮想化サーバ環境に必要になる仮想ネットワークを作成可能な技術だ。

今回、新たな製品を投入する背景には、今までのSDN対応製品が既存ネットワークシステムからの段階的な移行に適していなかったことから、既存ネットワークシステムの一括更新に伴う投資負担や、スムーズな移行への不安といった課題があったという。

そこで今回の強化では、SDN技術が実用期に入り、ユーザーが保有する既存ネットワークシステムにも適用が拡大していくことを前提に、SDN Readyやオーバレイ方式対応製品などのSDN環境へのスムーズな移行を実現する製品やソリューションのラインナップを拡大し、ユーザーのSDN活用を推進していく狙いがある。

オーバレイ方式はとは

SDN Ready製品では、WANアクセスルータ「UNIVERGE IXシリーズ」を9月中に提供開始するほか、企業向けLANスイッチ「UNIVERGE QXシリーズ」を8月27日から提供。また、UNIVERGE QXシリーズの低価格モデルも、順次SDN Ready対応を行っていくという。

これらSDN Ready製品を導入することでユーザーは、SDNコントローラーを追加購入することで、適切なタイミングでSDNへの移行が可能になる。

「UNIVERGE IXシリーズ」の適用イメージとメリット

「UNIVERGE QXシリーズ」

オーバレイ方式に対応したソフトウェア製品としては、KVM向けの「UNIVERGE PF6700」を9月末から提供する。「UNIVERGE PF6700」は仮想スイッチに設定する「オーバーレイエージェント」、オーバーレイネットワークと外部ネットワークを中継する「オーバーレイゲートウェイ」、あて先不明データを処理する「オーバーレイリフレクター」、各ソフトウェアと連携してオーバーレイネットワークを制御する「オーバーレイコントローラ」で構成され、価格は505万円~となる。

「UNIVERGE PF6700」の機能と特徴

また同社では、従来のネットワーク機器とSDN対応機器の混在環境におけるネットワーク設計や設定作業負荷を軽減するため。WebSAM Network Automationを中心にしたネットワーク運用自動化ソリューションを9月末から提供する。価格は280万円~。

ネットワーク運用自動化ソリューション

さらに、これまでの200システム以上の導入実績から、SDNのユースケースをモデル化。これをもとに、ユーザにとって最適なタイミングでのSDN環境への切り替え支援を行う「NEC SDNコンサルティングサービス」(個別見積)を販売開始する。このサービスは4つの段階に分かれており、(1)ネットワーク戦略の策定支援、(2)現状/課題分析支援、(3)実施ステップ策定支援、(4)RFP案作成支援がある。

「NEC SDNコンサルティングサービス」

同社では、このようなSDN関連ソリューションの提供に合わせ、技術支援体制を強化するため、100人のSDN専任SEを配置。営業も強化し、2015年にパートナーも含め2,000人体制を目指す。

これらの強化策により、同社では今年度200億円規模のSDN関連売り上げを、来年度には2.5倍となる500億円にする計画だ。

福田氏は、「詳細は中期計画で発表するが、2017年には4桁億円(1,000億円以上)はやらなければならないと考えている」と述べた。