トレンドマイクロは8月26日、「人用デバイス・ツールの業務利用実態調査 2014」を実施内容と調査結果を発表した。

今回の調査は、企業におけるスマートフォン、タブレット端末などのBYOD(Bring Your Own Device:個人所有端末の業務利用)の実態や、個人用のデータ共有ツールの業務利用実態を調査したもの。調査は6月23日~25日の間実施し、企業に所属する従業員から1038件の有効回答を得られた。

調査によると、企業のBYODの導入状況は「組織全体で認められている」および「一部の従業員に認められている」の合計が47.0%となり、半数近くの企業でBYODが認められていることがわかった。2012年に実施した同内容の調査結果と比較すると、約15ポイント増加している。

あなたの勤務先では、BYODは認められていますか?(単一回答。各年 n=1038)

企業がBYODを禁止していると答えた回答者に対し、業務で個人所有のスマートデバイスを利用しているか聞いたところ、一定頻度で利用しているという回答が63.1%となった。この結果を2012年の調査結果と比較すると約15ポイント増加した。

あなたは個人所有のスマートデバイスを、業務のために利用したことがありますか?(単一回答。対象者:勤務先においてBYODがポ9リシーやルールによって禁止されている従業員。2014年 n=423、2012年 n=246)

企業が個人所有のスマートデバイスの業務利用を禁止していても利用している回答者267人を対象に、スマートデバイス内に業務データを保存しているか聞いたところ、保存していると答えた回答者が80.5%にのぼった。保存データの詳細は「取引先などの連絡先(55.4%)」「業務に関する電子メール(44.6%)」「業務に関する文書データ(34.5%)」。

あなたは、個人所有のスマートデバイスに業務関連の連絡先情報や文書データを保存していますか?(複数回答。対象者:禁止されているにもかかわらず、個人所有のスマートデバイスを業務のために利用していると回答した従業員、n=267)

ほかにも、個人用メールアカウントや個人用オンラインストレージなどのツールを利用禁止にする企業の従業員に対し、過去1年間でツールを利用して業務データを社外とのやり取りしたことがあるかを調査。その結果、個人用メールアカウントは46.4%、個人用オンラインストレージは21.5%が利用していることがわかった。

過去1年間、社外関係者と業務データをやりとりする際に、上記のツールをどのぐらいの頻度で利用しましたか?(単一回答。対象者:勤務先において該当ツールの利用を許可されていないと回答した従業員。個人メール n=388、個人利用オンラインストレージ n=641)

すべての調査結果を受けてトレンドマイクロは、個人用のスマートデバイスやデータ共有ツールで業務データを扱うことによって、情報漏えいやウイルス感染が起こる可能性があると指摘。企業は、業務における実用性・利便性を踏まえ、従業員に個人所有のデバイス・ツールをどのように使わせるか検討する必要があるとしている。

また、企業内に個人所有のデバイス・ツールが持ち込まれることを前提に、社内データにアクセス可能なデバイスの制限や、ログ監視など、情報資産管理をしっかりと担保するセキュリティ対策を行う必要があるとしている。