米Googleは8月26日(現地時間)、Webブラウザ「Google Chrome」バージョン37の安定版(Windows/ Mac/ Linux)をリリースした。Windows用に64ビット版が登場し、32ビット版と選択できるようになったほか、Windowsユーザーから要望されていたDirectWriteをサポートしている。

26日時点でWindows用64ビット版はオプトイン形式で配布されており、64ビット版を使用したい場合はダウンロードページでWindows 64-bitチャンネルからインストーラをダウンロードする。

64ビット版は、Windows 64-bitチャンネルのリンクからインストーラをダウンロードする。

GoogleのWill Harris氏は、64ビット版の利点として「スピード」「安定性」「セキュリティ」の3つを挙げている。最新のプロセッサとコンパイラへの最適化によって、VP9コーデックのデコーディング性能が15%改善するなど、多くのグラフィックスおよびメディア・ベンチマークの数値が向上している。安定性に関しては、標準的なWebコンテンツのレンダリングにおけるクラッシュ率が32ビット版のエンジンから半減したことが、Devチャンネル版およびCanaryチャンネル版のフィードバック・データで明らかになった。セキュリティ面ではメモリー管理が向上し、Partition Allocなどセキュリティ機能をより効果的に実装できる。注意点は、32ビット版の対応OSがWindows 8.1/8/7/Vista/XPであるのに対して64ビット版はWindows 8.1/8/7になる。またNPAPIプラグイン対応が64ビットのみで、32ビットNPAPIプラグインをサポートしていない。

Chrome 37のもう1つの大きな新機能であるDirectWriteは、Vista以降のWindowsで利用できる。Windowsのハードウェアアクセラレーションを活かしてテキストを描画する技術で、テキスト表示品質の向上とCPU負荷の低減が期待できる。

Chrome 37のアップデートには、50件の脆弱性の修正が含まれる。そのうちの1つであるCVE-2014-3176/ CVE-2014-3177は、特定の組み合わせによってサンドボックスの外側でリモートコードを実行できる問題で、この脆弱性の報告者には30,000ドルの特別報奨金が支払われた。