安川電機は8月20日、食品・薬品・化粧品などの小物製品、およびその中間製品の搬送・整列・箱詰用途など向けに、さらに使いやすさと衛生管理のしやすさを追求したパラレルリンクロボット「MOTOMAN-MPP3H」を発表した。8月25日より販売を開始する。

従来機の「MOTOMAN-MPP3」は発売以来、高い搬送速度と優れたアプリケーション対応能力で食品・薬品・化粧品をはじめとする小物製品搬送分野の自動化に貢献してきた。今回、中空ボディ構造の採用やボールジョイント部のグリースレス化などにより、さらに使いやすさと衛生管理のしやすさを向上させた「MOTOMAN-MPP3H」を発表し、同分野においてさらなる加速が予想される自動化・省力化ニーズに対応していくとしている。

具体的には、クラス最速の3kg可搬時150cpm、1kg可搬時230cpmの搬送能力を継承する他、手首軸許容慣性モーメントは0.017kg・m2と大きく、ダブルハンドを使用した高速搬送も可能となっている。さらに、3kg可搬クラス最大の動作範囲1300×H300mmを持ちながら、フットプリントは同クラス最小となる750mm2を実現し、コンパクトな搬送システムを構築できる。また、ボディ中心部を中空構造(φ80mm)とし、この中空部にホースなどの配線、配管ができるようにした。これにより、ロボットの動作や周辺設備を考慮して配線ルートを確保する煩わしさが軽減され、配線・配管の簡素化により作業性・信頼性の向上につながるという。

この他、日本食品衛生法認証の自己潤滑樹脂を採用し、カバーで覆われていない関節部(ボールジョイント部)のグリースレスを実現した。従来は、食品用グリースを採用していたが、カバーのない箇所からのグリースの落下そのものを排除することで、搬送物の衛生に関する懸念をなくした。また、清掃が容易な滑らかなボディ形状など、特に衛生面の配慮が必要な食品搬送に適した構造に変更したとしている。

(左)「MOTOMAN-MPP3H」の外観、(右)「MOTOMAN-MPP3H」を3台使用した製品箱詰めシステムの一例